安室奈美恵、V6、Da-iCE、I Don't Like Mondays. ……『ONE PIECE』歴代主題歌に溢れるアーティストの原作愛
最後に、今年の1月9日より新しい主題歌としてオンエアが始まったI Don't Like Mondays.(以下、アイドラ)の「PAINT」を紹介したい。アイドラと言えば、R&Bやファンクを基調としたクールでアダルトな楽曲を想起する人が多いかもしれない。しかし同曲は、一転して疾走感が溢れる爽快なロックナンバーに仕上がっており、また、YU(Vo)の伸びやかでストレートな歌声も非常に新鮮だ。これは、2014年のデビュー以降の活動の中でも非常に大きな変化だと言えるだろう。
先日公開された同曲の制作におけるドキュメンタリー映像で、SHUKI(Dr)が「『ONE PIECE』の絵がどれだけ映えるか、『ONE PIECE』の世界観を音楽でどれだけ力強く、また、メッセージを伝えられるかを一番に気を付けた」と語っていた。つまり彼らは、『ONE PIECE』という作品と真摯に向き合ったことで、今までの自分たちを乗り越え、そして新しい音楽スタイルに挑むことができた、ということなのだと思う。〈僕は僕を超えていくんだ〉〈好きな色で塗り返してしまえばいいだろう〉という歌詞の言葉には、彼ら自身の変わっていくことへの覚悟が宿っているようにも聞こえる。ちなみに、YU(Vo)は、同曲の制作にあたって、次のようにコメントしている。
「正直なお話、当初僕なんかに『ONE PIECE』に見合うような曲が作れるのか…と及び腰になっていたのも事実です。しかし、『ONE PIECE』にはこれまでも数え切れないほど、逆境に立ち向かうための勇気をもらってきたことを思い出しました。そして、その時もまた“麦わらの一味”に背中を押された気がしたのです」
これまでに、彼らは何度も『ONE PIECE』に勇気をもらってきた。それは決して過去だけの話ではなくて、今まさに大きなチャンスを掴み取った彼らの背中を押してくれたのも、また『ONE PIECE』であったということだ。そして、そうして生まれた楽曲が、これから数え切れない視聴者の背中を押していくと思うと胸が熱くなる。
今後も、様々なアーティストがバトンタッチを繰り返しながら、麦わら海賊団の冒険を共に盛り上げてくれるだろう。それぞれのアーティストが『ONE PIECE』に馳せる想いを想像しながら、引き続きオンエアを追っていきたい。