Ado、THE RAMPAGE、緑黄色社会、蒼山幸子、SCANDAL……今週リリースの新譜5作をレビュー

蒼山幸子『Highlight』

 2019年7月の“ねごと”解散後、すぐにソロアーティストとしての活動をスタートさせた蒼山幸子から、初のフルアルバム『Highlight』が到着。美しいサウンドデザインと憂いを帯びたメロディ、〈ハートビート途切れるまで/いばらの先へ行きたい〉という決意が響き合うダンストラック「ハイライト」、エレクトロファンク系のトラックに乗せ、突然訪れた恋愛の切なさと官能を描き出す「シュガータイム」、“自分を更新していきたい”という思いを刻んだ歌詞がしなやかなバンドグルーヴとともに広がる「バースデイ」。繊細な情景描写と凛とした意志を融合させたソングライティング、現行のダンスミュージックをポップに昇華させた音像など、音楽家としての個性とセンスが生き生きと表現された理想的な1stだ。(森)

蒼山幸子「バニラ」 from 『2020/11/05 蒼山幸子 presentsアコースティックナイト「re:slownight」』

SCANDAL『MIRROR』

 約2年ぶり、通算10枚目のアルバムでさらなるサウンドレンジの広さを提示したSCANDAL。収録曲「eternal」「愛の正体」には、乃木坂46「シンクロニシティ」の作編曲などで知られるシライシ紗トリがアレンジャーとして参加。「愛の正体」には、ピースフルなゴスペルを取り入れるなど、リスナーを想う優しさが楽曲にも滲み出るかのよう。また、失恋の傷を優しく撫でるミディアムナンバー「愛にならなかったのさ」や、音楽に身を委ねて踊ろうと誘うファンクポップの「one more time」など、ロックというより、今作では穏やかなポップソングの充実ぶりがすごい。これが、最新モードのSCANDAL。昨年結成15周年を迎えたバンドの実力は伊達じゃない。(一条)

SCANDAL - 10th Album『MIRROR』 - Trailer

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