『EXILE TRIBUTE』で味わうJr.EXILE 4組の豊かな色合い 原曲との変化から見える各グループの強み
EXILEのデビュー20周年を記念し、GENERATIONS from EXILE TRIBE、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE、FANTASTICS from EXILE TRIBE、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEの4組が、EXILEの楽曲をカバーしたトリビュートシングルを4週連続でリリースする企画『EXILE TRIBUTE』。本稿では、先行配信されていたリード曲とそのMVを通して、各作品の魅力を紹介していく。
12月1日にリリースされたTHE RAMPAGE『THE RAMPAGE FROM EXILE』のリード曲は「No Limit」(原曲は2013年9月リリース)。EXILEでは威風堂々としたシンセサウンドが印象的だったが、カバーではベースミュージックの様相が強まり現代的なアレンジへ進化。とりわけ特徴的なのはグループ内ユニット・MA55IVE THE RAMPAGEによる新規のラップパートだ。今年リリースされた「SILVER RAIN」以降、5人のラッパーの存在はTHE RAMPAGEの強みの一つとなっているのがよくわかる。
カバー版MVにおいて、原曲のMVが部分的にオマージュされているのは4作ともに共通した点だが、「No limit」ではボーカルの背後にあるオーロラ色のセットがそれにあたる。また、特殊な機材でパフォーマーを撮影してダイナミックな映像となっていた原曲と同じく、今作でも16人の迫力あるパフォーマンスを見せることに比重が置かれている。パフォーマーが瞬間的に入れ替わったように見えるソロシーンの連続は必見だ。
12月8日リリースのBALLISTIK BOYZ『BALLISTIK BOYZ FROM EXILE』のリード曲は「Touch The Sky」。原曲は2007年12月のアルバム『EXILE LOVE』のボーナストラックとして収録された「Touch The Sky feat.Bach Logic」である。クールかつエッジの立った楽曲の魅力はそのままに、ビートの存在感が強められたカバーになっており、バースで大胆に挿入されるラップパートによって、グルーヴ自体に効果的な変化が感じられる。原曲のワードを残しつつ〈100% いや テンハネ-1000%-で行こう〉や、〈どの時代も同じ/Spirit 受け継いでつなぐ意志〉など、BALLISTIK BOYZの個性が盛り込まれたリリックも秀逸。
全員がマイクを持って踊る、3MC&4ボーカルという彼らの特色はMVでも活かされている。背中合わせで円形のステージに立ち、ハイスピードで周回する映像は原曲MVのオマージュだが、カバーではそこで7人全員が激しいダンスパフォーマンスで魅せてくれる。“EXILEの血を受け継ぐ”ことの表象だという(※1)、赤を基調とした衣装とセットも印象的である。