Ado、THE RAMPAGE、緑黄色社会、蒼山幸子、SCANDAL……今週リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は1月26日リリースのAdo『狂言』、緑黄色社会『Actor』、蒼山幸子『Highlight』、SCANDAL『MIRROR』に、本日1月25日リリースのTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE『RAY OF LIGHT』を加えた5作品をピックアップした。(編集部)

Ado『狂言』

 2021年を象徴するヒット曲「うっせぇわ」、ストリーミング再生1億回超えの「ギラギラ」「踊」、まふまふの作詞・作曲・編曲による最新シングル「心という名の不可解」などを収めた初のCDアルバム。エレクトロ系のトラックとノスタルジックな旋律が溶け合う「花火」、ヘビィかつ重厚なサウンドとともにダークファンタジー的なメロディが広がる「ラッキー・ブルート」、心地よくグルーヴする歌声が鬱屈とした現代社会を映し出す「過学習」など、バラエティに富んだ新曲も充実。「うっせぇわ」のパンチの効いた歌声の印象は今も強いが、繊細なファルセットから穏やかな声質まで、幅広い表現力をたたえたAdoの多彩なボーカルを楽しめる作品に仕上がっている。(森)

【Ado】1st Album『狂言』クロスフェード

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE『RAY OF LIGHT』

 THE RAMPAGEのニューアルバムはメジャーデビュー5周年当日にリリースされる、グループの記念碑的な一枚に。“大人への進化”を表現したという本作には、表題曲「RAY OF LIGHT」やディスコ路線の「ALL ABOUT TONIGHT」など、オントレンドな1980年代のサウンドメイクを踏襲する楽曲を数多く収録。彼らの顔といえるラウドロック/ミクスチャーロックの波が一旦落ち着き、1980年代風のアレンジに意識が移行している点から、グループがひとつの過渡期を迎えていることが読み取れる。なかでも、終盤の「Sleepless Lonely Night」は、都会の夜景と共に聴きたいR&Bバラードとして、ボーカル3名のシルキーな歌声に心が洗われる。こうした楽曲こそ、彼らの本当の強みが出るところ。まさに、5年間で磨き上げてきた美しい宝石のような表現だ。(一条)

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE / RAY OF LIGHT (MUSIC VIDEO)

緑黄色社会『Actor』

 バンドとしての見せ方、メンバーの創造性を融合させた制作スタイル、そして誰もが楽しめるポップスであること。ロングヒットを記録した前作『SINGALONG』から1年4カ月ぶりのフルアルバム『Actor』によって緑黄色社会は、自らのアイデンティティをさらに明確に示してみせた。「結証」「ずっとずっとずっと」「LITMUS」といったアニメ、ドラマ、CMなどのタイアップ楽曲における際立ったポップネスはもちろん、4人全員が作詞・作曲に関わったアッパーチューン「キャラクター」、可憐にしてシックなメロディが気持ちいい「アラモードにワルツ」、ホーンが力強く響き、長屋晴子(Vo/Gt)と小林壱誓(Gt)が声を合わせるロックチューン「S.T.U.D」など、新曲における奔放なクリエイティビティにも注目してほしい。(森)

緑黄色社会『キャラクター』Official Video / Ryokuoushoku Shakai – Character

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