King & PrinceとSnow Manが揃った『ジャニフェス』での発見 コラボレーションの醍醐味を味わえるステージに

 2021年12月31日は『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)念願の初出場、『ジャニーズカウントダウン2021→2022』への参加と華々しいステージを飾ったSnow Manのメンバー。バラエティやドラマ出演など活動は多岐に渡るが、やはりライブこそが彼らの真骨頂であると改めて感じることができた年末だった。

 12月30日、東京ドームで開催された『Johnny's Festival ~Thank you 2021 Hello 2022~』もまた、Snow Manが十二分に存在感を発揮したステージだった。同公演には彼らの他、KinKi Kids、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Z、ジャニーズWEST、King & Prince、SixTONES、なにわ男子のデビュー組、ジャニーズJr.からはTravis Japanが出演。松本潤が総合演出を担当し、各グループごとのパフォーマンスからコラボ、SMAP、TOKIO、V6、嵐といったレジェンドアーティストたちの名曲カバー、コロナ禍に立ち上げられたチャリティーユニット・Twenty☆Twenty名義の楽曲「smile」の全員歌唱などジャニーズファミリーの魅力がたっぷりと詰め込まれたイベントとなった。

 松本潤のライブ演出は最新技術の導入に話題が及ぶことが多いが、肝となるのは選曲やセットリストの構成、背景映像を組み合わせて特別なシーンを作り上げていく編集力。その腕前がいかんなく発揮されたのが複数グループによるコラボパフォーマンスだ。それぞれの真価が引き出されるようなステージが続く中、King & PrinceとSnow Manのコラボレーションは特に発見の多いものだったように思う。

 かつて関西ジャニーズJr.で共に切磋琢磨した平野紫耀と向井康二の歌い出しも胸を熱くさせた「シンデレラガール」。King & Princeが持つキラキラとした王子様イメージはSnow Manメンバーにも見事にハマっていた。ラウールが主演を務めた青春映画『ハニーレモンソーダ』の主題歌、4thシングル曲「HELLO HELLO」にも通じるような印象で、Snow Manのアイドル然とした魅力が引き出された貴重なコラボだった。一方、Snow Manの「君の彼氏になりたい。」は恋愛漫画やドラマのようなシチュエーションの歌詞と岩本照振り付けによるダンスが話題を呼んだ楽曲。ダンススキルに定評があり、王子様路線を進んできたKing & Princeの一歩先をいく姿を見ることができたのではないだろうか。

 Snow Manは「D.D.」、King & Princeは「シンデレラガール」とグループカラーを印象づけるデビュー曲の印象はまったく異なるものだった両者。しかし、コラボパフォーマンスの合間に披露されたKing & Prince「Magic Touch」とSnow Man「Grandeur」の2曲に顕著なように高い歌唱力とパフォーマンススキルが求められる本格派ダンスナンバーを得意とする点、さらにコラボパフォーマンスに見られたような観るもののハートを掴むアイドル路線で魅了できる点は、それぞれに共通している美点だ。普段の活動では強弱のついている表現スタイルがコラボレーションする相手により強く引き出され、新鮮な魅力が放たれるーーそんなコラボレーションの醍醐味を味わうことができたのが、King & PrinceとSnow Manのステージだった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる