Hey! Say! JUMP、King & Prince、Snow Manのダンスはなぜ評価が高い? ジャニーズ屈指の3組、パフォーマンスの特徴を考察
2020年から続くコロナ禍で、以前よりテレビの音楽特番やSNSを見る機会が増えたという人も多いのではないだろうか。そんな中で、ファンではない目線で見ても「こんな振りも踊れるの?」「あの振付師とコラボするんだ、意外!」といったダンス界隈における新鮮なサプライズを投下し続けてくれたのは、他ならぬジャニーズのグループたちだったように思う。全員が顔を隠し、バキバキのヴォーギング(幾何学的な手先の動きが特徴)を繰り広げるHey! Say! JUMPの「狼青年」、マイケル・ジャクソンばりのショーアップされた振りで魅了するKing & Princeの「Namae Oshiete」、ポップ&キャッチーな中にも小ワザを詰め込んだSnow Manの「HELLO HELLO」etc……。
デビュー組だけを見ても身体能力の高さではレジェンド級といえるA.B.C-Zや、各グループにもスキルの光るメンバーが多数在籍しているのだが、ここでは最近ダンス面で注目される3グループのダンスの特徴について考察してみたい。
Hey! Say! JUMPは山田涼介ら役者やタレントとして活躍する面々も多く、アクロバットを得意する知念侑李を擁するなど“THEジャニーズアイドル”的なイメージが強いが、最近はカップリング曲やアルバム曲だけでなく、シングルのリード曲にもチャレンジングな要素を詰め込んでいて目を引く。先述の「狼青年」では、国際的に活躍するダンスユニット・東京ゲゲゲイのMARIEが手掛けた緻密なヴォーギングに挑戦しており、一切顔を見せずにダンスのみをフィーチャーしたMVも話題を呼んだ。シングル『ネガティブファイター』収録曲「Try & error」ではタイトな展開の中、新体操のような組み技を盛り込んだり、音数が極端に少なくなる終盤パートでシンクロ率の高い動きを見せたりしているのも興味深い。
8月25日リリースの新曲「群青ランナウェイ」では、きゃりーぱみゅぱみゅの振付で知られるMAIKO(先述の東京ゲゲゲイの中心人物MIKEYと同じユニットの東京☆キッズに所属)がコンセプチュアルな振付を手掛けており、冒頭では「狼青年」と同じDNAを感じさせるヴォーギングを展開。ここ最近の彼らは斬新なパフォーマンスへの嗅覚の強さや、全員でそこに向き合える器用さも感じさせる。
King & Princeはデビュー曲「シンデレラガール」での王子様的なイメージもさることながら、各メンバーの年齢やキャリアを考えると見せ方などにかなり完成された美学を感じられるグループだ。ほとんどの曲でグループ全体としては早取り(カウントよりやや早い動き)気味のパフォーマンスになっており、BPM的にはそれほど速くない楽曲でも遊びの少ないタイトなスタイルで踊っているのがわかる。
彼らのダンスを見ていて特に感じるのがダンス歴の長い平野紫耀や髙橋海人をはじめとしたメンバーの体幹の安定感で、ヒップホップ色の濃い「Magic Touch」などでのステップや足技を多用した振りにも非常に見ごたえがある。
先述の「Namae Oshiete」(最新アルバム『Re:Sense』初回限定盤Bのリード曲)では、ジャズなどの動きも交えてショーアップしたスタイルでのパフォーマンスで視聴者を魅了している。同曲については、彼らがパフォーマンス面でさらにステップアップするための課題としてチョイスしたのではないかと推察する。