King & PrinceとSixTONES、Snow Man……デビューの間にある決定的な違い スノスト“以前”と“以降”で異なるプロモーション
以下は、ジャニーズ事務所所属グループが2020年に発売したシングルの中で、一般社団法人日本レコード協会におけるダブルプラチナ認定(最低累計正味出荷枚数50万枚)以上を達成した一覧(2020年12月28日現在)です。
アーティスト名/作品名/発売日/認定ランク
SixTONES vs Snow Man , Snow Man vs SixTONES /『Imitation Rain / D.D.』, 『D.D. / Imitation Rain』/ 2020年1月22日/ミリオン
King & Prince/『Mazy Night』/2020年6月10日/ダブル・プラチナ
SixTONES/『NAVIGATOR』/2020年7月22日/トリプル・プラチナ
嵐/『カイト』2020年7月29日/ミリオン
Twenty★Twenty/『smile』/2020年8月12日/ダブル・プラチナ
Snow Man/『KISSIN’ MY LIPS / Stories』/2020-10-07/ミリオン
SixTONES/『NEW ERA』/2020-11-11/ダブル・プラチナ
【参考】ゴールドディスク認定基準
(認定ランク:最低累計正味出荷枚数)
ゴールド:100,000
プラチナ:250,000
ダブル・プラチナ:500,000
トリプル・プラチナ:750,000
ミリオン:1,000,000
圧倒的な知名度を誇る嵐、そしてジャニーズアーティスト75名が参加したチャリティーソング「smile」(Twenty★Twenty)を除くと、あとはすべてKing & Prince、SixTONES、Snow Manの3グループに集約されます。
King & Princeのデビューは2018年、そしてSixTONES、Snow Manのデビューは2020年と、ジャニーズ事務所所属グループの中ではデビューからの歴史が浅い3グループですが、いずれも売上面では突出した活躍を見せました。しかし、King & Princeと、SixTONES、Snow Manでは、その活躍に至る過程がかなり異なります。
King & Princeと、SixTONES、Snow Manのデビューの間には、ジャニーズにとってそれ以前とそれ以降で決定的な違いを生むこととなる2つの大きな出来事がありました。1つはジャニーズ事務所創始者であるジャニー喜多川さんの逝去、もう1つはYouTube進出です。
King & Princeは、アイドルらしいビジュアルと王道系ポップスを中心とした楽曲で、いかにもジャニーズらしい印象が強いです。一方SixTONESとSnow Manは、流行の取り入れ方や世界観の構築など、これまでのジャニーズになかった要素に満ちており、それがパブリックイメージやファン層の違いに表れています。
しかし、この3グループの違いは象徴的には見えるものの、ジャニー喜多川さんの逝去によって、いわゆるジャニーズらしさが今後失われていくということではありません。実際、SixTONESもSnow Manも、デビュー前からジャニー喜多川さんがプロデュースに関わってきたグループです。その意味では、King & Prince同様、SixTONESもSnow Manも、ジャニー喜多川さん逝去後もしっかり、ジャニーズらしさの上に自分たちのパフォーマンスをしている、と言えます。
では、ジャニー喜多川さんの逝去により何が変わったかと言うと、プロデュースではなく、プロモーション(宣伝活動)だと考えています。従来のジャニーズにおけるプロモーションは、アイドル個人の個性や能力を前面に押し出したものが主軸でした。一方、2020年におけるSixTONESやSnow Manは、各個人の安定した高いスキルと確立された魅力をベースに、グループとして戦略的なプロモーションが行われていたと感じています。そこには、ジャニー喜多川さんの逝去により、多くの人が意思決定に関わるプロモーションに移行せざるを得なかった背景がある、と推測しています。
これに拍車をかけたのが、King & Princeのデビュー直前から展開していた、ジャニーズのYouTube進出でした。ジャニーズのタレントとしての能力や、グループとしての魅力は、YouTubeを通してデビュー前からオープン化され、多くの企業とのタイアップなどを通じて、グループのプロモーション能力を試されるようになりました。ここで最初に力を発揮したグループが、SixTONESとSnow Manでした。