SEKAI NO OWARI Fukaseが語る、表現を続けていく理由 書家 金澤翔子との思い出も
2021年は映画『キャラクター』での怪演、そして初の絵本『ブルーノ』も刊行したが、それらも彼の中では特別なアクションではないようだ。
「絵本作家になりたいのかと言われたら、そんなおこがましいことは思っていないですし、とにかく自分が吸収したもの、取り入れたものを、ちょっと表現は汚いですけど排泄しているだけだなと思っていて。吸収するとかではなくて、消化して出している。体の調子のために、もう食べたものは出していくしかない。とにかくそういう表現を続けていかないと自分の体がどんどん膨れていっちゃう感じがするので。そうやって食べたものがたまたま音や色、または服になったり、ストーリーになったり、アニメーションになったり、ライブになったりして出ていく。でも、実際は自分でも何が出てくるかは分からないんですよね」
絵本を書いた経緯についても、あくまでその時の表現が「ただ絵本だったというだけ」と語るFukase。また、音楽においても「誰かのコンサートを見たりするのが苦手」だという。
「もしそのライブがすごくかっこよかった時に、どうするんだと。丸パクリしたくなったときにどうするんだ、と思うから。でもたまに行くと、それが絵や言葉に反映されたりする時もある。ライブを見て小説を書きたくなった時もありますね。自分が作っているジャンルだったり、ボーダーみたいなところをなくしてあげる作業を今している感じです」
最後に、これから展覧会、そして金澤の書を見る人たちへのメッセージを聞いた。
「翔子ちゃんの書の、温かくて優しいけど冷たくて怖いところも見て欲しい。僕は自然と同じだと思ったので。温かくて優しいものだけが人の心を打つわけじゃなく、冷たくて怖いところもあるということがすごく素晴らしいなと思います。僕が言わなくても、作品を目の当たりにしたらわかってもらえるはずです」
■金澤 泰子(金澤翔子 母)コメント
Fukaseくんに何気なく「何か文書をくれない?」とメールしたら、すぐ「貴方の光で夜道を照らす」が返ってきて、今回の展覧会にすごくピッタリだと思いました。お互い苦しい時代を経て、今こうやって2人が揃ったことは何か縁があるなと感じましたね。
■イベント概要
書家 金澤翔子展「つきのひかり」
会期:2021年12月22日(水)〜2022年1月8日(土)<18日間>
時間: 10:00~20:00(最終入館 19:30)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)
料金:「前売りチケット」一般2,100円 高校・中学生1,000円 小学生500円 小学生未満無料
「当日窓口」一般2,300円 高校・中学生1,100円 小学生600円 小学生未満無料
※障がい者手帳をお持ちの方は、ご本人と介助者1名まで入館無料となります。
入館時、3階のチケットカウンターにて障がい者手帳をご提示ください。
主催: 金澤翔子事務所 / 電通
パートナー: シナリー化粧品 / 株式会社SGC
パートナー/制作協力:長谷工グループ
特設サイト: http://www.k-shoko.org/