ぜんぶ君のせいだ。ソロインタビュー第7弾:如月愛海
ぜんぶ君のせいだ。如月愛海、ひとりではないと実感した6年間 「人生に深く関わって一緒に生きる気持ちが芽生えた」
ライブで思わず吐露した“数年間で最大の本音”
ーー患いさんが一気に増えて以降の数年間、ぜん君。が階段を駆け上がっていった中で、グループとして一番大変だったのは、いつになりますか。
如月:いつだろう、大変な時期が多すぎて……。正直に話すと、メンバーが脱退した時期よりも、メンバーが新しく入ることの方が実は大変で。見送る方は悲しさも苦しさもあるけど、感謝も大きいから、最後まで一緒に頑張りたいっていう気持ちがあるんです。でも加入となると、歌割りも変わればダンスも変わるし、それだけでなく新しい人間関係を築き上げないといけない。グループ内の自分のポジションが変わっていく場合もありますからね。新メンバーはしばらく自分のことで手がいっぱいになるし、グループ活動に慣れていくのも大変です。グループに加入する側も、新しい風を待っていた側も両方大変なんですよね。目に見える変化もしなくてはいけないし、一方で、変わらないものもないといけない。その難しさにはいつも悩んでいました。ただ、もちろん良いこともたくさんあって。一番有り難いのは、新しく入ってくれたメンバーたちのやる気です。ぜん君。を知った上で入ってくれたメンバーたちなので、自分の理想もしっかりあるし、目に見えないところでもみんなすごく努力していると思います。それは自分自身も感化されるところです。
ーーそのお話を聞くと、本当に大変だったのはましろさん脱退直後、喑さん、襲さん、ふふさんが加入した2020年夏〜秋頃かなと思いますが、改めて振り返ると、どのような心境だったと思いますか。
如月:ましの脱退が決まって、3人が加入したツアーが始まるまで一度も涙が出なかったんです。枯れたみたいに。悲しい言葉も言いたくないし、辛いなんて思っちゃいけないなって。ツアーが始まってからも、他のことを思ってライブ中に泣くことはあっても、現状の想いで泣くことはなかったです。以前のぜん君。の良さを消したくなかったから、自分のことを相当追い込んでいたと思います。患いさんに向かっても極力笑っていて、話すたびに「信じてついてきてほしい」と伝えていました。
でも、2020年最後のツアーワンマンライブをした神戸のMCで、振り絞って振り絞って、「もう誰もいなくならないで」って初めて言ったんですよね。患いさんにもメンバーにも思っていた、数年間の最大の本音だったと思います。どんなことがあっても自分がいる限りぜん君。は終わらせないし夢も終わらない。そう思っていたからこそ言えなかったけど、その時はメンバーも泣きながら支えてくれて……患いさんには怒られました(笑)。「離れないよ!」って。それでやっぱり、なおさらここ以外で生きられないなって思ったんですよね。これまで以上に、今は活動できること、みんながいることを大切にしたいと思っています。
ーーそんなメンバーの中で、ここ1~2年で特に印象的な変化を遂げたのは誰でしょう?
如月:メンバーそれぞれ必死だから、特にってなると難しいですけど……全員っていうことでいいですか?(笑)
ーーでは、せっかくなので一人ずつお願いします。
如月:十五時は表情がすごく豊かになりました。十五時はかっこいい曲に少し苦手意識を持っていた頃があったんですけど、今は「狂気かな?」と思うくらいかっこいい顔もするし、可愛さももちろん持っているから、一つひとつの曲や感情に合わせて周りを見ながら楽しんでいるなって。私がライブ中に前転をし始めた時に、十五時もやり始めて、2人で爆笑してました。余裕も生まれているのかもしれないですね。表情が豊かで見ていて楽しい。
甘福氐は本来、すごく変われるポテンシャルを持っていたと思うんです。自分の信念がしっかりとあるから、誰かから感じるというよりは自分で気づいて成長するタイプだと思うんですけど、7人で過ごしたライブの中で様々な感情を出しまくれるようになって。もしかしたら本人は気づいてないかもしれないですけど、めちゃくちゃいい顔をしているんです。「本来の甘福氐が出てきてる、いい!」って思いました。
襲は最初から表現をすることにすごく長けていましたけど、襲からすればそれはポテンシャルの独り歩きだったのかなって。歌い方も気持ちの出し方も、自分でセーブしている部分があったと思うんです。ただ、ライブを重ねていって、本来持っていた表現力に合わせて気持ちが追いついてきたのか、静と動という言葉が似合うようになってきて、めちゃくちゃ頼もしいです。
ふふは、加入した当初は慣れないことも多くて、ステージ上も普段も自分のことでいっぱいいっぱいだったんです。ふふ自身もそう言っていたくらい、周りを見れていなくて失敗もありました。でも活動に慣れてくると、周りを見る時と自分を出す時の空気感を掴めるようになっていったし、周囲を気にせず、自分の表現やパフォーマンスが唯一無二のものになっていったことを感じます。
メイは、「本当に美しいな」って思う瞬間が増えました。歌もダンスも、(ゆくえしれず)つれづれの時は綺麗さを感じていましたけど、今は強さ、それに伴う美しさを感じます。「Underscore」の時にそれを一番感じていて、結構激しく移動があるのに、いつも横目でメイを見ちゃうくらいです。
个喆は誰よりも楽しんでくれる人。そして、とても素直な人だなって同じグループになってから思いました。最初のうちは緊張も伝わってくるし、伏し目がちな時も多かったけど、今ではステージ上で誰よりもみんなと遊ぶ可愛らしさと、時折見せる儚さがとても素敵で。全ジャンルを歌うぜん君。にとって大事なポジションにいてくれています。本当にみんな成長していて、同じステージにいる身としてはとても幸せです。
「以前よりもっと遊びに富んだ音楽ができている」
ーーそんな7人体制になってもう少しで1年経ちますが、今までのぜん君。になかったものが備わってきているとしたら、それは何だと思いますか。如月:“魅せる”部分とか、いろいろあるとは思うんです。でも根っこにあるのは「最後」っていう思いかもしれません。武道館という、ぜん君。が繋げてきた夢を7人で叶える。強い意志というよりも、7人の腹の底にある静かで大きな意志という感じがあります。
ーーこれからに向けた、ぜんぶ君のせいだ。の課題や目標をどのように捉えていますか。
如月:武道館は絶対に行くので、目標となると、全員が同じ気持ちで「めちゃくちゃライブに生きた」って思える日をもっと増やしたいです。真面目な部分が多いからこそ、それぞれにまだ破れていない殻があるのかなと思うことがあって。少しずつだけど、いつか全員が自分のチャクラ(奥底にあるパワー)的なものを全部使って、ライブができたらいいなって思います。
ーーちなみに、今も武道館に立つことにこだわる理由って何なんでしょう?
如月:私自身にとって、それは2つ理由があって。1つ目は、私が田舎出身なので、Zepp TokyoとかSpotify O-EASTでライブやりますと言っても、村の人にはわからないんですよ(笑)。唯一わかるのは、武道館か東京ドームだけで。武道館のステージに立てたら、それはもうオリンピックに出たくらいの大ニュースになると思うので、そのためにまずは武道館に立とうというのが1つ。
もう1つは、グループ初期のまだ練習も始まっていないような時期に、「ぜん君。どうなりたい?」って聞かれて、字(十字)が「武道館に行きたい」と言ったんです。私は「最初のライブをソールドアウトさせたい」くらいだったんですけど、それを聞いて「じゃあ武道館を目標にしよう!」と言って突っ走ることになって。そうしたら、「武道館まで一緒についていくね」という患いさんが増えていったんですよ。いろいろな事情で離れていった患いさんもいますけど、武道館を叶えられた日には、また全員で集合できると勝手に思っていて。
ーーまさに「患い同窓会 in 武道館」ですね。
如月:そうなんですよ。ぜん君。も6年やっているので、卒業して就職したり、結婚して子供ができたからライブに行けないとか、そういう方がいるのもわかっていて。でもそういう人には「いずれ武道館でやるから、その時は絶対に来てね」といつも言ってたんです。そして常に応援してくれている患いさんたちもいる。だから武道館に立てなかったら、その全ての人たちとの約束を果たせないんだと思うと、絶対に行かなきゃいけないなって。しかも今のメンバーの中で、全ての患いさんにただいまとおかえりを言えるのは自分しかいないから、とにかく武道館には立ちたいんです。全員集合できた時には盛大に笑い合いたいですね。
ーー改めて聴いてみると、ぜんぶ君のせいだ。の音楽性ってシャウトを交えたエクストリームなサウンドに、ダンスミュージックも交わったオリジナリティの高いものだなと思いました。もともと「音楽で何かしようなんて考えたことなかった」という如月さんにとって、ぜん君。の音楽はどのように変化してきていると思いますか。
如月:最初は本当にひねくれたスタートで、「こんな時代にこんなこと」っていう自分たちへの皮肉と、やりたい曲を全部やろうっていう欲張りから始まった音楽だったんです。今は幅広い曲をやることによって「ぜんぶ君のせいだ。=ジャンルレス」っていう一つの音楽ジャンルができているんじゃないかと思います。音楽ジャンルって境目が曖昧なもの、人によって分け方が違うものでもあるので、それならそれでジャンル分けできないグループがいてもいいよなって。以前よりも、もっともっと遊びに富んだ音楽ができているなと思いますし、本来なら素直に言えないような言葉をその音楽に乗せて歌うことで、ジャンルレスなはずなのにぜんぶ君のせいだ。というジャンルが成り立っている。すごく面白いなって思います。
※1:https://realsound.jp/2021/06/post-782540.html
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