ぜんぶ君のせいだ。、団結する7人の快進撃 “新たな始まり”告げた47都道府県ツアーファイナル

ぜん君。、団結する7人の快進撃

 ぜんぶ君のせいだ。が3月27日に東京・恵比寿LIQUIDROOMにてワンマンライブを行った。このライブは、約半年間にわたって行ってきた全国ツアー『re:voke tour for 47』のツアーファイナルであると同時に、ぜん君。が新しい7人で未来に向かって歩みを進める、始まりを告げるようなライブでもあった。

 誰もがコロナ禍で思うように活動できなかった2020年、ぜん君。はメンバー編成の大幅な変更と、初の活動休止を経験。そこに新メンバー3人が加入し、新5人体制の初お披露目となったのが、昨年11月の本ツアー初日であった。さらに今年1月に現7人体制へと増強されたことで、グループとしては新たな強みを得た反面、パフォーマンスの在り方をイチから見つめ直して再構成していく大変さがあったはずだ。サポートのバンドメンバー4人を含めれば、ステージに上がるのは11人。大所帯と言って差し支えないし、フォーメーションや動き方も大きく変わったはず。5人のお披露目がZepp DiverCity TOKYOという広い会場だったからこそ、より観客との距離が近くなるLIQUIDROOMで7人体制のどんな姿が見られるのか。大きな見どころである。

 まず1曲目は、現体制で2月にリリースしたばかりの最新曲「堕堕」。序盤から畳み掛けるようなボーカルの応酬で、7人の個性をこれでもかと発揮していく。すでに新体制は盤石の状態、あとはここからライブは上がっていくだけだと言わんばかりの自信が溢れ出ていた。その後も「メスゲノムフェノメノン」「痛カルマバ◯ス」「オルタナティブメランコリー」といった、ロックやエレクトロを横断していくぜん君。特有の楽曲の幅広さで、会場は熱を帯びていく。

 自己紹介を挟んだ後には、「インソムニア」「革鳴前夜」「WORLD END CRISIS」など、シリアスな世界観とクールな表情の歌で聴かせる楽曲が続いた。特に「インソムニア」は、現体制になる直前の新5人体制でリリースされた唯一のシングル曲で、振り付けもMVも5人で完結していたところ、早くもそれを解体して新体制に合わせて作り変えられている。この適応力の早さ......いや、今の自分たちで一番カッコいいものを作り上げようとする意志こそが、ぜんぶ君のせいだ。の素晴らしさだ。

 続く「WORLD END CRISIS」は、ライブ後に新たなMVが公開された楽曲。強靭なシャウトが加わってアグレッシブに進化したこの曲だが、何より、7人が本当に生き生きしている。パワフルに踊るもとちか襲、アツいエモーションを込めながらもクールに決める雫ふふ、美しい歌唱で客席を魅了する甘福氐喑と、新加入の3人はすっかりぜん君。に欠かせない存在になっている。メイユイメイは持ち前のシャウトを炸裂させ、个喆もこれまでのグループでは見られなかった多彩な表情を見せる。征之丞十五時は、先輩メンバーらしい余裕と瑞々しさを併せ持ったパフォーマンスで客席を沸かせていく。そして如月愛海は、メンバー一人ひとりとしっかりアイコンタクトを取りながら、「目の前のあなたを離さない」という想いを客席の隅々まで届けていく。7人が自分の色を惜しみなく出しながらも、これまでで一番カッコいいぜん君。を作るベく団結している。そのものすごいエネルギーが、客席後方までガンガンに伝わってきた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる