KEYTALK、dustbox、TOTALFAT、FOMAREが見せたライブバンドの魂 『REDLINE TOUR 2021 WINTER』で爆発した個性

『REDLINE TOUR 2021 WINTER』レポート

 3組が作り上げた空間を最後に彩ったのはKEYTALK。この日集った4組の中では最もポップなイメージが強いバンドだが、ライブハウスで培われた底力は当然伊達ではない。1曲目の「MATSURI BAYASHI」からキラーチューン感全開のセットリストで臨んだ4人は舞台狭しと動き回り、フロアを最後まで揺らし続けた。爆発的なドラムや歌うようなギター、凄まじいスラップベースからは確かにメロコアやパンクの精神を感じさせつつも、その上で踊る寺中友将(Vo/Gt)と首藤義勝(Vo/Ba)によるハーモニーやユニゾンは時にポップに、時に歌謡曲のような艶やかさで唯一無二の魅力を見せつける。ツインボーカルの歌心と多彩な楽曲、そしてそれを全身全霊で鳴らす4人の姿からは、“ライブを楽しむバンドマン”のカッコ良さを改めて思い知らされた。

 時にギターソロで小野武正(Gt/MC/Cho)がTOTALFAT「PARTY PARTY」の一節を弾いてみせたりと対バン相手へのリスペクトを示しつつも、容赦のないライブ強者ぶりを見せつけたKEYTALK。しかもアンコールでは“後輩”FOMAREも登場し、コラボ楽曲である「Hello Blue Days」をサプライズ披露。後輩を見守るKEYTALKの優しい眼差し、そして彼らの胸を借りるFOMAREの3人の楽しげな様子からは、ライブバンドの魂が脈々と受け継がれていく様が垣間見られるようだった。

 対バンライブを組むことすら難しい昨今、文字通り奇跡的に集結した4組。ジャンルレスと言っても過言ではないほどそれぞれ異なる魅力を見せつけたライブだったが、根底には4組とも、それぞれの音楽を育て上げたロックやパンク、そして何よりライブハウスという土壌への愛が溢れているようだった。これからの彼らの旅路は、最高に愉快なものになるに違いない。

REDLINE TOUR 公式サイト

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