KAT-TUNメンバー分析 第3回:中丸雄一、信念を曲げない強い意志 独自の活動の裏で人一倍ファンを思う姿勢
Johnny’s webにおいても「読むラジオ」や定期的な句会など、独自の展開を見せる中丸。あたかも「真面目ひとすじ」という雰囲気を醸し出しながら、自由に、ときにトリッキーに、新たな試みを続けている。実は中丸こそ、KAT-TUNイチの異端児なのかもしれない。
“KAT-TUNあるある”を歌詞に乗せた、シュールでポップな「We are KAT-TUN」の歌詞も中丸によるものだ。2020年3月の『Johnny's World Happy LIVE with YOU』にて同曲の特別バージョンを披露すると、他グループファンの間でも話題となった(なお同ライブでは、KAT-TUN導入編とも言えるセットリストとステージングを見せている。中央にぎゅっと集まりがちなMCとの緩急も含め、改めてチェックしてみてほしい)。
〈だってhyphen喜ぶんだもん〉
これは、同曲で中丸が歌うフレーズなのだが、まさに中丸は「hyphen(KAT-TUNファンの総称)が喜ぶ」ことを原動力とし、行動しているように思う。中丸は驚くほど「ファンが喜ぶこと」を知っている。それが、リサーチ力の高さによるものか、アイドルとしての勘の鋭さなのかは分からないが、アイデアを形にする実行力の源は〈だってhyphen喜ぶんだもん〉。それに尽きるのではないだろうか。
今回、KAT-TUNメンバー分析企画を通して感じたのは、彼らのアイドルとして誇りと、ファンへの愛情。亀梨は強く走り続ける姿を見せ、上田は柔軟性のなかに揺るがぬ芯をもって、中丸はファンと向き合い、ときに舵を切る。彼らは三者三様のやり方でKAT-TUNを守り、強化し、オリジナルな存在たらしめてきた。バラバラの個性を持つメンバーだが、目指す場所、守るものは同じだ。
しかし、やはり中丸は分からない。ファンだけが彼の本質を見抜いているのかもしれないし、ファンにとってもいまだ謎多き人物なのかもしれない。とはいえその“分からなさ”に惹かれ、彼の魅力から抜け出せないファンが多数いることは、紛れもない事実である。
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