リトグリ、クリープハイプ、DEAN FUJIOKA、KIRINJI、原因は自分にある。……12月8日リリースより新譜5作をレビュー

KIRINJI『crepuscular』

 8年間のバンド体制を終え、2021年から堀込高樹のソロプロジェクトとなったKIRINJI。シングル「再会」、「爆ぜる心臓 feat. Awich」(映画『鳩の撃退法』主題歌)、先行配信曲「薄明 feat. Maika Loubté」を含むニューアルバム『crepuscular』には、“薄明”を意味するタイトル通り、コロナの先の光がぼんやりと見えてきた(と思いたい)現状を色濃く反映している。大切な人と会えなくなった寂しさや虚しさ、孤独に苛まれている友人への思い、感染したかと思ったらただの風邪だったときの感情、他者との関係性に対する曖昧な不安。誰もが感じていながら言葉にしづらいことを歌にして、有機と無機の間を心地よく揺らぐサウンドとともに描き出す極上のポップミュージックがここにある。(森)

KIRINJI - 爆ぜる心臓 feat. Awich (Exploding Heart)

原因は自分にある。『虚像と実像』

 2019年に旧名の“BATTLE STREET”から“原因は自分にある。”へと改名した7人組ボーイズユニットが2ndアルバムをリリース。ドラマ『じゃないほうの彼女』(テレビ東京系)のエンディングテーマにも起用されている「豪雨」をはじめ、ピアノトリオ、fox capture planをフィーチャリングアーティストに迎えた「以呂波」など全10曲を収録。結成当初より、2次元と3次元の狭間を体現するようなパフォーマンスを得意としてきた彼ららしく、ヒップホップやジャズ、ポエトリーリーディングといった枠にとらわれないさまざまな楽曲に挑戦することで、ポテンシャルの高さを発揮。みきとP、s-num(すいそうぐらし)、ど~ぱみん、霧エクラ、Art knows meといった次世代のクリエイターとのコラボにも注目したい。(渡部)

豪雨 Lyric Video/原因は自分にある。(テレビ東京系連続ドラマ「じゃない方の彼女」エンディングテーマ)
※記事初出時、本文に誤りがありました。お詫び申し上げます

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