BiSH、ももいろクローバーZ、Negicco……アイドルのソロ活動がもたらすグループの新たな可能性

 数多いる女性アイドルだが、今やPerfume同様に地方から全国区へと進出したNegiccoも、メンバーのKaedeによるソロ活動が音楽リスナーから注目を集めている。これまで小西康陽、田島貴男、西寺郷太(NONA REEVES)、土岐麻子など豪華アーティストたちが楽曲に携わってきたNegiccoだが、Kaedeのソロワークもまた通好みの面々が参加。9月にリリースされた最新シングル『サイクルズ』は表題曲を田中ヤコブ(家主)が、カップリングの「((( escape )))」は原田郁子が作詞、台湾の男女5人組バンド・Wendy Wander(溫蒂漫步)が作曲編曲を担当しており、Kaedeのアットホームで温かみのある声の良さをそれぞれ別の角度から引き出してみせた。6月には『Youth - Original Soundtrack』と題した架空の映画のサウンドトラックをテーマにしたコンセプトアルバムを発表しており、ライブ時にサポートも務める佐藤優介(カメラ=万年筆)と独自の作品世界を作り上げた。

Kaede(Negicco)「サイクルズ」作詞・作曲・編曲 田中ヤコブ]

 現在メンバー・Nao☆が体調を考慮してライブ休止中だが、Negicco自体は地元新潟を中心に精力的に活動を続けており、サトウの切り餅のCMが全国規模でオンエアされ始めたことを年末年始を実感している人もいるはずだ。Kaedeの活動はNegiccoの音楽性から地続きのものとして捉えることができ、またそのソロでのアウトプットがグループの豊かさへと繋がっていくのだろう。

 徐々に厳しい規制は緩和され始めているが、コロナ感染防止のために注意しなければならない日々はこれからも続いていく。他にもAKB48や坂道シリーズの面々にもソロでの輝きをそのままグループにフィードバックさせている者もおり、今後はより一層現場=ライブでそれを実感できる機会も増えていくだろう。ソロワークを充実させて得た表現者としての確かな魅力、そんな点在していたものが結集された時に生まれるグループの新たな姿を見逃さないようにしたい。

※1:https://ototoy.jp/feature/2021082503/0

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