フジファブリック「若者のすべて」はなぜ普遍的な名曲に? 『MUSIC BLOOD』出演に向けてバンドの歩みを考察

「若者のすべて」はなぜ普遍的な名曲に?

 志村が逝去した後、ギタリストの山内がボーカルを兼ね、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(Ba)とともに活動を継続させてきたフジファブリック。2010年代以降も「徒然モノクローム」「ポラリス」「ゴールデンタイム」といった質の高い楽曲を発表し続ける一方、2019年10月には大阪城ホールでの単独公演(ワンマンライブ『フジファブリック15th anniversary SPECIAL LIVE at 大阪城ホール 2019「IN MY TOWN」』)を成功させるなど、ライブでも存在感を発揮している。

 また、常に新しいトライアルを続けているのもフジファブリックの魅力だ。今年リリースされた最新アルバム『I Love You』には、「赤い果実 feat.JUJU」「たりないすくない feat.幾田りら」「あなたの知らない僕がいる feat.秦 基博」などのコラボレーション曲を収録。シティポップ的なサウンド(アレンジは小林武史)と〈光あれ/歩き出すあなたに〉という歌詞を共存させた「光あれ」は、愛をテーマにした本作を象徴する新たな名曲だ。

フジファブリック 『光あれ』Lyric Video

 充実した活動を続けているフジファブリックが、キャリアを代表する「若者のすべて」を地上波の音楽番組で披露することは大きな意味を持っている。実際、『MUSIC BLOOD』でこの曲を演奏することが発表された際にはTwitterでトレンド入りし、「世代には泣ける神回になる」「知らない人達にも観て欲しい」「圭さんと、雄大さんと、どんな話が繰り広げられるのだろうか」など、数多くのコメントが寄せられた。

 また、「若者のすべて」に加え、「ECHO」(2011年のアルバム『STAR』収録)が生演奏で披露されることも明らかになっている。当時、「ECHO」ができ上がったことによって、山内は「この曲は自分にしか歌えない」と強く感じ、フジファブリックのボーカルとして歌っていく決意をしたという(※1)。

 フジファブリックの音楽の普遍性を証明する代表曲「若者のすべて」、そしてバンドとして前へ向かっていく決意を描いた「ECHO」。彼らのキャリアにおいて大切な意味を持つ2曲を聴けば、フジファブリックの未来に対してさらに期待が膨らんでいくことだろう。今夜の『MUSIC BLOOD』を観て、これからの彼らの歩みにますます注目していきたい。

フジファブリック 『ECHO』

※1:https://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/fujifabric/star/liner/

■番組情報
『smash. presents MUSIC BLOOD』
第36回放送 2021年12日3日(金)23:30〜24:00
毎週金曜 23:00~23:30  放送
<日本テレビ系全国ネット>
※smash.では、放送直後の24:00よりUNCUT映像を独占配信
出演者:
【MC】田中圭、千葉雄大
【出演アーティスト】フジファブリック

番組公式ホームページ
フジファブリック Official Website

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