KAT-TUNメンバー分析 第2回:上田竜也、進化し続けてきた表現者 多方面で発揮されるセルフプロデュース力

KAT-TUN

 今年でデビュー15周年、先日『第72回NHK紅白歌合戦』への初出場が決定したKAT-TUN。改めてメンバーそれぞれの活躍と魅力を振り返ってみたい。第2回は上田竜也。

 1998年、ジャニーズ事務所に入所。2001年にKAT-TUNのメンバーに選出される。以来、上田は常に変化し、進化し続けてきた。それは自身のためだったかもしれないし、KAT-TUNのためだったかもしれない。そのいずれでもあるとも思うが、あくまでこれは筆者の憶測に過ぎない。

 結成当初、個性が強いメンバーのなかで上田は目立つほうではなく、積極的に自己主張をするタイプでもなかった。ピアノや作曲という特技はあったものの、ファンのみぞ知る魅力に留まっていたといえる。

 そんななか、ビジュアル面でのセルフプロデュースが功を奏した。ワイルドかつやんちゃなグループにおいて、中性的でアンニュイな雰囲気を醸し出す上田は、どこか毛色の異なる存在としてお茶の間の目を引いた。

 現在のイメージにグッと近付いたという意味では、2011年の『ランナウェイ〜愛する君のために』(TBS系)出演に際し、坊主頭にしたことが大きかったかもしれない。また2007年頃からボクシングに取り組み始めた上田は、2012年には『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(テレビ朝日系)で天才ボクサー役を演じている。同年10月には『炎の体育会TV』(TBS系)のレギュラー出演が決定し、体育会系のイメージが定着した。

 一方で、元来の豊かな表現力も発揮し始める。2013年、映画『永遠の0』に小山役として出演。出番は短いながらも、重要な役目を果たしている。小山の選択、そこにあった心の動き、そして、描かれはしないがまざまざと想像させられる凄惨な死は、作品の根幹にあるメッセージに説得力を与えた。

 近年は舞台でも活躍している。2019年には、舞踏家のホフェッシュ・シェクターが振付・音楽を手掛けた『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』の日本初公演にて主演。2021年は、昨年に引き続き『Endless SHOCK -Eternal-』に出演、秋には『Birdland』にて主演した。ライブ、ステージングにおける上田の魅せ方、身のこなしには、舞台での経験が活かされているようにも思う。

 作詞作曲、ラップ、ダンスーーグループ結成当初から増え続ける上田の強み。最近では、そのトーク力にも注目が集まる。決して多くを話すわけではないのだが、とにかく打率が高い。バラエティ番組では発言がテロップになることも多く、SNS上で話題になることもしばしばだ。

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