土屋太鳳、『アイの歌声を聴かせて』劇中歌がバイラル上位に 軽快なジャズナンバーを歌い上げる豊かなリズム感覚

参照:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(11月25日公開:11月18日~11月24日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:GAYLE「abcdefu」
2位:BoyWithUke「Toxic」
3位:大橋ちっぽけ「常緑」
4位:INI「KILLING PART」
5位:Conton Candy「ロングスカートは靡いて」
6位:BE:FIRST「Gifted.」
7位:土屋太鳳「Lead Your Partner」
8位:ALI「LOST IN PARADISE feat. AKLO」
9位:INI「Cardio」
10位:CYBER RUI「DESIRE」

 今回はバイラルチャート7位にランクインした土屋太鳳「Lead Your Partner」をピックアップする。

 土屋太鳳×アニメ映画×劇中歌×ミュージカル×ジャズ。意外すぎるというか、想像の斜め上みたいな組み合わせだ。ひとことで言えば、かなり異色。

 リスナーが共感し、シェアしたアクションがチャートに反映されるバイラルチャートの面白いところは、例えばアーティストの知名度やライブ動員数といった“一般的な人気度”とは異なる座標でチャートが決まるところにある。リリースから数カ月後にチャート上位に上がってきたり、情報をリサーチするのも困難なニューカマーが突然ランクインしたり、映画や海外ドラマの主題歌や劇中歌が同時に複数ランクインしたり、他のチャートにはない独自の動きがある。ゆえに、驚くことも多く、予想がつかない刺激的なチャートだと思うのだが、今回取り上げる楽曲は、個人的には驚愕指数過去最高である。

 女優・土屋太鳳については、もう説明は不要だろう。映画『果てぬ村のミナ』(2012年)で初主演を果たして以降、数々の映画やドラマで主演を務めてきた。3歳の頃から日本舞踊、クラシックバレエ、ヒップホップダンスなどを習い、2016年には英国チャートで1位を獲得したこともあるアーティスト、シーア「Alive」の日本版MVに出演。力強くしなやかなコンテンポラリーダンスを披露し、話題となった。今回の原稿を書くにあたり、改めて当該のMVを視聴したが、土屋太鳳のリズムの捉え方の多彩さに惹きつけられた。楽曲そのものを体現し、静と動を大胆に表現しながらも、滑らかにつなぎ合わせるリズム感は、彼女が小さな頃から、前述したような様々なジャンルのダンスで培ってきたものだろう。ある楽器のリズムを取りながらも、一旦止まって次に踊り出すときには、異なる楽器のリズムに乗っているのだ。

Sia 『アライヴ feat. 土屋太鳳 / Alive feat. Tao Tsuchiya』

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