櫻坂46、パフォーマンスのカッコよさではない魅力 『そこ曲がったら、櫻坂?』から見えるバラエティ力の成長

スタジオを笑いで包み込む“天然”なメンバーたち

 トークを軸とするこうした笑いとは別に、本人が意図しない形でスタジオを笑いで包み込む“天然”な魅力を持つメンバーも忘れてはならない。その筆頭が大沼晶保だ。メンバーたちが少しずつ遠くにスリッパを飛ばすゲーム「連続スリッパ飛ばし」にて最後のチャンスを任された彼女は、入念な素振りを繰り返し、十分に時間を使って本番に臨んだ。しかし、待っていたのはなんと空振りというオチだった。このシーンは、いまやテレビ番組に引っ張りだこのMC、ハライチ 澤部佑をして「世界に通用する笑い」と言わしめ、土田晃之も大絶賛。昨年“前傾姿勢”にて伝説を残した大沼だが、早くも今年それを塗り替えるシーンを生み出したのである。

 大沼と同じく天然キャラなのが増本綺良だ。1年間の目標に「シャンプーで頭を洗う」と掲げたり、椅子の背もたれと座席の間に首がハマって抜けなくなったりと、奇抜な発言と奇怪な行動で視聴者を楽しませている。また土生瑞穂の天然っぷりも見逃せない。ファッション誌のモデルとして活躍するスタイリッシュな姿とは裏腹に、バラエティでは常に予想の斜め上を行く発言で周りを困惑させている。学力テストの際に東西南北を理解していないことが判明し、「自分が北」と意味不明な回答をして笑いを呼んでいた。

後輩が先輩をいじる流れも登場

 MCを担当するハライチ 澤部をいじる流れも面白い。印象的だったのはMCに関する早押しクイズでの一幕だ。「ハライチ澤部の思う自分に足りていないものとは何?」という問題に対して、メンバーたちは「『ハライチのターン!』でのトーク力」や「首」と答えてクリーンヒット。別の放送回の「(澤部の)奥様が思う1番結婚してよかったと思うところは?」というお題では回答が大喜利化し、「佑くんの収入が頼りだなあ」「ドライヤーの音が一切聞こえないわ」といじり倒して盛り上がっていた。こうした回答力も徐々に付いてきている。

 いじると言えば、1期生の小林由依が後輩にいじられる新しい流れも生まれつつある。実力、人気ともに磐石で、クールなイメージを持つ小林は、後輩たちからすればいじりにくい存在だろう。しかし、番組での「マイクパフォーマンス対決」では2期生の藤吉夏鈴がそこにあえて切り込んでいき、番組きっての名勝負に発展した。2期生が次々にクレヨンしんちゃんのモノマネを披露していく流れでは、最後に小林にムチャ振りが飛び、綺麗にオチが決まっていた。2期生たちのノリに1期生が巻き込まれていくようなこのパターンは、今後も色々なシチュエーションで期待したい。

 このようにバラエティ面でも開花している櫻坂46。今年4月から同番組はGYAO!にて見逃し配信も始まり、地域関係なく視聴が可能となったことで、より一層多くの視聴者の目に止まることが見込まれる。今ある武器をさらに磨き、番組2年目以降も新しいスキルを開拓していってほしい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる