櫻坂46、パフォーマンスのカッコよさではない魅力 『そこ曲がったら、櫻坂?』から見えるバラエティ力の成長

 先日放送された『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京)は、メンバーがあるあるネタを発表してポイントを競い合う「第1回櫻坂46あるある発表会」。発表ネタはメンバー同士にしか分からないものからMC陣も頷くようなものまで幅広く、なかには全く共感を得られないネタまで様々。特に関有美子のファッションネタと守屋茜に関する話題の際はスタジオが爆笑に包まれるなど、終始笑いの絶えない回となっていた。

 開始から1年が経ったこの番組。昨年のグループ改名と同時にリニューアルし、心機一転でスタジオの雰囲気も変わったことで多くの名場面が生まれている。放送1周年の回では今後番組でやりたいことを話し合い、メンバーの地元ロケや肝試し、文化祭といった意見が飛び出した。新加入組も現場に慣れ始め、全員で成長している櫻坂46。そこで今回は、これまでの放送から見えてきたメンバーたちのバラエティ力に注目してみたい。

武元唯衣をめぐる団体芸

 櫻坂46のような大所帯グループが出演するバラエティ番組の醍醐味のひとつが、全員で連携してオチまで持っていく団体芸である。その最もよい例が、2期生の武元唯衣を中心とした一連の流れだ。発端となったのが昨年の年末の放送回でのこと。武元が以前自身の地元である滋賀県の魅力をPRした際に、バラエティ寄りにしすぎてしまったためもう一度本気でプレゼンさせてほしいと志願し、滋賀についての情報を熱く語り始める。すると、眠たそうな原田葵の表情がカメラに抜かれてしまい、トークは一旦中断。気を取り直して再開するも、原田に倣って全員が寝始め、その雰囲気を察した武元が「私どうすればいいですか?」と弱音を漏らしてスタジオが湧いたことがあった。これを機に武元の“無視されキャラ”が確立。武元が長めの尺で話し始めると周りが寝る、という流れが完成したのだ。メンバー総出でオチまで持っていくこの流れには、新しく生まれ変わった櫻坂46のチームワークが象徴されているように思う。

 加入当初から安定したトーク術とバラエティのお約束を理解していた武元。とりわけメンバーが座って話すような、平場のトーク力が試されるタイプの企画では彼女の存在が欠かせない。そして武元が素晴らしいのが、いじる側にもいじられる側にもなれる点である。例えば、メンバーのレア情報を暴露し合う企画において、自身がいじられれば次は相手へと食ってかかり、白熱のトークバトルを繰り広げていた。今回の放送でも同期の松田里奈の楽屋での行動を暴露して高ポイントを獲得していたように、武元をめぐるメンバーたちの掛け合いや団体芸は、もはや同番組の柱と言っても過言ではない。

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