CKay「love nwantiti (ah ah ah)」根強い人気 SNS発ヒット特有の問題を乗り越えて

参照:https://spotifycharts.com/regional/global/weekly/latest

 Spotifyの「トップ50(グローバル)」は、世界的に最もストリーミング再生された曲をランク付けしたチャート。本連載では、同チャートを1週間分集計した数値のデータを元に、グローバルな音楽シーンの潮流をお届けする。第5回となる今回は、10月21日公開(10月14日~10月20日集計)のチャートを見つつ、「love nwantiti (ah ah ah)」がロングヒット中のCKayを紹介していく。

アデル、6年ぶりの新曲「Easy On Me」が堂々1位に

 8月5日から首位をキープし、異例の大ヒットとなったザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーの「Stay」がついに転落し、アデルの6年ぶりの新曲「Easy On Me」が新たな1位になった。「私が努力したことは無視できない/2人を一番にするために自分が変わる必要があったけど、もう諦めた」といった結婚生活の終了を赤裸々に歌った歌詞や、「私はまだ子供で自分の周りの世界を感じる機会がなかった」という、自身の波乱万丈な生い立ちについてエモーショナルに歌ったアデルの新曲はすでにファンの心をガッチリ掴んでいるようだ。

Adele – Easy On Me (Official Video)

CKay、ナイジェリアのベッドルームから世界へ知らしめた自身の存在

 ナイジェリア出身の注目のシンガー・ソングライター/プロデューサー・CKay(シーケイ)。彼は自身の音楽を「エモ・アフロビート」、「未来(2056年)から来たアフロ・ポップス」や「アフロ・フュージョン」と形容している(※1)。

 教会でコーラス隊の指揮者をやっていた父に影響され、幼い頃からピアノを始めた。その後FL Studioと出会い、DTMやプロデュースにも手を広げ、20歳のときに音楽の道を目指すことを反対していた親から離れ、本格的に音楽活動を始める。

 2017年には1st EP『Who the Fuck Is CKay?』をリリース。そんな彼にとってブレイクスルーとなったのは、2018年の「Container」であった。「Container」は、南アフリカの「Gwara Gwaraダンス」から影響を受けたアフロビート曲であり、ナイジェリアのラジオで大ヒットとなった。BTSがGwara Gwaraダンスを披露していたことにより、この動きを見たことがある人もいるだろう。

CKAY – CONTAINER | OFFICIAL VIDEO

 その後、2019年に2nd EP『CKay the First』をリリースし、収録曲「love nwantiti (ah ah ah)」がナイジェリアでメジャーヒットとなったが、この楽曲が世界的なヒットを目の当たりにしたのは2021年に入ってからであった。「エモ・アフロビート」というジャンルに相応しいラブソングであるが、こちらの楽曲はリリースから2年が経った2021年にTikTokのチャレンジでバイラルになった。

CKay – Love Nwantiti Remix ft. Joeboy & Kuami Eugene [Ah Ah Ah] (Official Video)

 2021年の9月上旬に、友人から「TikTokのチャレンジで使用されていて、世界的にバイラルになると思う」と伝えられたCKay。ナイジェリアではすでにヒットを終えた後だったので、彼は友人の発言を信じていなかったが、2日後に再度TikTokを見せられた彼は驚いたという。「love nwantiti (ah ah ah)」とそのリミックスを使用した投稿は300万件以上となっており、9月16日にはザ・キッド・ラロイの「Stay」を抜いて世界で最もShazamされた楽曲になったと発表された(※2)。

 TikTokでバズったことにより、「love nwantiti (ah ah ah)」が世界的ヒットとなったが、CKayは良いことばかりではなかったと語る。TikTokで頻繁に使用されていたリミックスは、DJ Yo!とAxelによって勝手にリリースされたものであり、TikTokに投稿された動画には楽曲のクレジットがないものも多かったという。

「最初は自分が得るべきものを盗まれた気がしたよ。ブートレグのバージョンが使用されていたし、多くの人が動画に記載されるクレジットを変更していたから、ほとんどの人は誰の曲なのかわかっていない状態で使用していたんだ。さらに楽曲を好むあまり、自分たちの曲だと言い張る国も出てきた。曲に対する愛はありがたいけど、TikTok上で自分の曲だと証明しないといけなかった」(※3)



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