花譜、コラボ企画『組曲』で拡張するボーカル表現 GLIM SPANKY「鏡よ鏡」が引き出すロックな一面

花譜×GLIM SPANKYコラボ曲レビュー

 “日本の何処かに棲む、何処にでもいる、何処にもいない17才”、花譜。ピンクの髪がトレードマークのアバターを使って活動するバーチャルシンガーである花譜は、今年3月にYouTube Liveにて全編無料配信した2nd ONE-MAN LIVE『不可解弐Q2』を国内外で累計40万人以上が視聴、リアルライブ開催のために募ったクラウドファンディングでは8000万円を達成。YouTube総再生回数は1億回を超え、TVアニメ『ブラッククローバー』の主題歌や劇場アニメ『映画大好きポンポさん』の挿入歌など、タイアップも引きを切らない。2018年に「出現」して以来、嵐のような勢いで前進し続けてきた。

 そして2021年10月18日、活動3周年を迎えた花譜は、3周年記念として10大プロジェクトを始動。第1弾プロジェクトとして、リアルアーティスト&コンポーザーとのコラボレーション企画『組曲』が発表された。これまでは一貫して、ボカロP・カンザキイオリとのタッグで曲を発表してきた花譜だが、いよいよその活動範囲を拡張していくことになる。その最初の1曲が、10月27日にリリースされた、GLIM SPANKYが楽曲を提供した「鏡よ鏡」だ。

 GLIM SPANKYは、ブルージーでどこかノスタルジックなサウンドと、ボーカル&ギターの松尾レミの個性的なハスキーボイスが特徴の男女二人組ロックユニット。元々花譜自身が好んで聴いていたアーティストでもあり、実際「美しい棘」「東京は燃えてる」のカバーもライブやYouTubeにて公開されてきた。

【歌ってみた】美しい棘 covered by 花譜

 カバーされた「美しい棘」は、繊細で傷つきやすい若々しい感性を振り返り、切り取って愛おしむような曲で、オリジナルは松尾のハスキーボイスが独特の迫力と哀愁を醸し出す。それを、今まさにティーンエイジャーとして“少女時代”の渦中にいる花譜が歌うと、思い出そのものが具現化して語りかけてくるような感慨を与えてくれる。

【歌ってみた】東京は燃えてる covered by 花譜

 「東京は燃えてる」は、東京という街によってあぶりだされる焦燥感、野心、反骨心、欲望などの感情を、情感を込めつつもどこかドライに歌い上げた曲。こちらは、普段の花譜ではなかなか見られない荒々しい歌声で、内に秘めた飢餓感のようなものを感じることができる。

 どちらの曲も、花譜のロックな一面と、そのサウンドに合わせた力強いボーカルを引き出してくれる楽曲である。

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