花譜ライブシリーズ『不可解』や新ユニットV.W.Pの根幹にある“創作への情熱” <KAMITSUBAKI STUDIO>統合Pインタビュー

KAMITSUBAKI STUDIO統合Pインタビュー

 2019年に開催された1stワンマンライブ『不可解』から約2年、花譜の2ndワンマンライブ『不可解弐REBUILDING』が豊洲PITにて2Daysで開催される。2020年、新型コロナウイルス感染拡大により未曾有の状況が訪れ、当初フィジカルライブとして予定されていた『不可解弐』は、バーチャルライブ『不可解弐Q1』『Q2』という形で開催。『REBUILDING』は、その2公演をフィジカルライブとして再構築し、さらに新要素として『Q3』を追加した過去最大規模の公演となる。

 今回のインタビューでは、『不可解Q2』の振り返りをはじめ、そこで突如登場したユニット「V.W.P」(Virtual Witch Phenomenon/花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜、5人の魔女によるユニット)の狙い、そして“REBUILDING”という形で『不可解弐』の再構築を考えた背景についてインタビュー。『不可解』というライブタイトルに込められた意味、そしてそのライブを完成させるために日々開発研究する現場の声を、<KAMITSUBAKI STUDIO>統合プロデューサーのPIEDPIPERに話を聞いた。(編集部)

花譜や理芽ら参加ユニット「V.W.P」はクリエイター同士が刺激し合う場所に

花譜 #73「命に嫌われている。 with 春猿火」【オリジナルMV「不可解弐Q1」Live Ver.】

ーー花譜さんは、2020年から2021年にかけてバーチャルライブ『不可解弐Q1』と『Q2』を開催し、大成功を収めました。3月17日に開催された『Q2』が最新ライブになりますが、その時の花譜さんのパフォーマンスをどのように振り返りますか?

PIEDPIPER(以下、P):花譜自身のパフォーマンスはすごく良かったと思います。ただ、分かっていた事ではあるのですが構成としてワンマンライブという要素は薄くなってしまったなと。一つの物語として「V.W.P」というグループを生み出すという前提ありきで、元々『不可解弐Q1』と『Q2』を地続きに考えていたのですが、分割したことによってそこが強調されすぎてしまった。いわゆる“ワンマンライブ”を求めていた人からすると、少し違う表現にはなってしまっていたかなと思います。一方であまり花譜を知らない方からすると、バーチャルライブの進化や面白さを感じてくれた方も多かったので、裾野を広げるという意味では大成功だったと思います。

ーー『Q2』でお披露目されたV.W.Pは、ファンの間でも大きな話題を呼びました。

P:それぞれのアーティストは、かねてからV.W.Pを前提に育ててきた側面もあります。今では各々にファンが付いているので、様々な受け取り方ができるプロジェクトに成長しました。今後もこれまで通り、個々としても丁寧に活動していくのは変わりませんが、一緒にやることでソロとは違う顔が見えてくるようなユニットにできればと思っています。ワンマンライブもどこかでやってみたいとは思いますが、2021年に関してはMVや作品を出していくことに注力していきたいと考えています。それぞれのアーティストが、これまでカバーやオリジナルで曲をたくさん出しているので、V.W.Pに関しては数を出すというよりもキラーチューンをしっかり作っていきたいと考えています。

ーー『Q2』での5人揃ってのパフォーマンスは圧巻でした。一人ひとり個性的なボーカルを持つ方々ですが、きちんと調和を見せていたのは流石だな、と。

P:歌手としての才能を持っているアーティストが集まった時にどのようなシナジーを見せてくれるのか、僕自身がそこに単純に興味があったんです。『Q2』のライブを受けて、音楽的に良いものを作れそうな感覚は強くなっています。それに、まだ明確には決めていないですが、海外へ発信していくという意味では、一人よりも集団で見せたほうが面白いものができるのかなと。

ーーV.W.Pとしてのアルバムのようなまとまった作品にも期待してしまいます。

P:カンザキ(イオリ)くんには一曲一曲すごく丁寧に作って貰っているので、V.W.Pとしてのアルバムはもう少し先になるかなと思います。ただ、V.W.Pに関しては、歌い手にしても、作り手にしても複数人の掛け算によって魅力が膨れ上がっていくような、一人では実現できない面白さが生まれる場にできたらと考えていて。例えば、花譜と理芽とのコラボで「魔法」という曲があるのですが、それと同じように他の子たちと掛け算していくデュエット曲は、V.W.Pでも作っていこうと思っています。ちなみに、5月15日に行った理芽のARライブ(1stワンマンライブ『ニューロマンス』)では、「魔笛」という花譜と理芽の新しいデュエット曲を笹川(真生)さんに作っていただきました。これがすごく良い曲になっていたのですが、色んなクリエイターの方々に関わっていただくことで、それぞれが刺激を受けて相乗効果的にいい作品に仕上がっていくところにも期待していますね。

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