乃木坂46、現役&OGメンバーがドラマを席巻 山下美月、与田祐希、久保史緒里ら女優としての活躍

 与田祐希は『日本沈没―希望のひと―』(TBS系)にレギュラー出演中。演じるのは、明るく前向きな居酒屋の看板娘・山田愛。与田の溌剌としたイメージをそのまま活かしたような役柄だ。劇中では主演の小栗旬、松山ケンイチともシーンの中で共演している。さらに与田はドラマのオリジナルストーリー『最愛のひと~The other side of 日本沈没~』(Paravi)で主演の一人を担っている。本編とはかなりテイストも異なるラブストーリーで、過去に『乃木坂工事中』(テレビ東京)で描いたラクダの「西園寺さん」が芸術的な絵画として店のギャラリーに飾られていたり、お釣りが46円だったりとファン向けの要素は多いものの、ラストには『日本沈没』のメインストーリーとリンクしていく。プロデューサーの東仲恵吾がコメントしている与田の「柔らかい雰囲気の中にも強い意志が伝わるまなざし」が見られるシリアスな場面だ。与田は今月23日に放送の『ほんとにあった怖い話 2021特別編』(フジテレビ系)でも『七不思議(仮)』で主演の一人を務める。山下に続き、本格的な女優業進出の兆しを見せるのが今の与田だ。

 久保史緒里は、今月8日に放送されたドラマ『サマータイムマシン・ハズ・ゴーン』(フジテレビ系)に出演。ショートドラマ3本で構成されたオムニバスドラマで、久保はその中の『乙女、凛と。』で主演を務めている。この作品を語る上で必要不可欠なのは、今年6月に上演された舞台『夜は短し歩けよ乙女』である。誤解を恐れずに言えば、『乙女、凛と。』は舞台から地続きの、だけどどこか違うパラレルワールドのような世界観。舞台の千穐楽後、20歳の大人の女性になった久保が京都の先斗町にあるバー「Bar凛ト」で偽電気ブランを飲む姿は、舞台を観劇したファンには感涙もののシーンである。

 『夜は短し歩けよ乙女』を彷彿とさせるセリフや演出が多様されているのはニヤリとしてしまう部分だが、特筆すべきはワンシーンで撮影された長回しと久保の歌うオリジナル曲「乙女、凛と。」だ。総合演出、全体構成、脚本、監督を手がけるヨーロッパ企画の上田誠は、Twitterでオフショットや裏話をツイートしているが、未来の自分自身とアカペラで歌う「乙女、凛と。」について、「どうやって音程とってもらおうか悩んでたら、久保さんがおずおずと絶対音感を打ち明けて解決しました」とも明かしている。舞台から変わらず物語の真ん中にあるのは、久保のその歌声。未来に思いを馳せるラストは、また一つ大人になった久保の表情を覗くことができる。久保と上田の関係性から思い浮かべるのは、「福田組」と呼ばれる若月佑美と福田雄一のような蜜月の仲。ヨーロッパ企画が引き出す、また新たな久保の一面も見てみたい。

 4期生では、昨年11月に放送の『閻魔堂沙羅の推理奇譚』(NHK総合)で単発ゲストとはいえ主役級の役柄に抜擢された賀喜遥香、『取り立て屋ハニーズ』(ひかりTV)で主演の一人を務めた掛橋沙耶香、共演の弓木奈於などが乃木坂46という枠を飛び出して、女優としての一歩を踏んでいる。現在勢いのある3期生に続く形で、4期生もまた彼女たちだけが見せる女優としての色を見せてほしい。

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