Snow Man、グループ躍進の秘密は? バラエティでの活躍、ハイスペックな音楽表現がカギに
そんな個性豊かな9人による1stアルバムは、筆者自身発売前から情報が解禁されるたび高揚したが、何より実際に手に取った感動が強烈だった。初回盤A、B、通常盤のどれもがボリュームたっぷりの贅沢な内容で、まさに“お宝”づくし。「何かが熱狂的な状態」を示す“Mania”と“Snow Man”を掛け合わせたタイトルに違わず、聴いた人誰もが彼らの“虜”(=Mania)となる作品だ。
アルバムリード曲である「EVOLUTION」は岩本が振付を担当。メンバーの個性を知り尽くした岩本ならではの激しくクールなダンスは必見。さらにリリックビデオが公開された「Sugar」は、大人の色気満載のファンクな楽曲。ラジオで音源が公開された当初からファン人気が高かった楽曲だ。ビデオでは歌詞と共にアルバムのジャケット撮影に挑む9人の艶っぽい表情が収められている。
中毒性があり、一度耳にすれば気が付いたら口ずさんでいると話題なのが、“接近戦を得意とするボクサー”を示す「Infighter」だ。頭から離れない個性的なビートが楽しい1曲である。
片や聴く人の心を癒すミディアムナンバーが「TIKI TIKI」。佐久間が候補曲の中から推した楽曲で、佐久間いわく「夏のドライブに似合いそうなナンバー」(『Duet』11月号より)とのこと。歌詞カードには載っていないが、佐久間の「最高!」もお聞き逃しなく。
メンバーのセクシーな歌声をシンプルに楽しめるのが「Super Sexy」だ。大人っぽい高音とウィスパーボイスはぜひイヤフォンで楽しんでほしい。その他、不二家『Smile Switch』のCM曲「Delicious!!!」「ナミダの海を越えて行け」に続き、『それスノ』テーマ曲「Be Proud!」はエモさ全開の前向きソング、そしてメンバーからの感謝を伝えた「GRATITUDE」はライブ終盤での演出を想像させる心にしみるメロディアスな名曲だ。
さらに今作で特にファンから期待を寄せられていたのが“ユニット曲”の存在ではないだろうか。メンバーの顔触れや楽曲のジャンルなど、ユニット曲はジャニーズファンにとってツアーでのパフォーマンス含め特別なものだ。
深澤・向井・宮舘による「P.M.G.」は、メンバー自らのアイデアで完成されたナンバー。それぞれの個性を前面に押し出し、〈ラブソングよりもロイヤルな魔法〉で笑顔になれること間違いなしのユニット曲だ。
岩本・ラウール・佐久間による「ADDICTED TO LOVE」は全編英語詞のクールな楽曲。高い表現力とダンスに定評のある3人だけに、ライブでのパフォーマンスにも期待したい。
渡辺・目黒・阿部の伸びやかなボーカルで歌われる「360m」には、歌詞やサウンドに3人のこだわりがぎっしり詰まっている。「めっちゃいい曲に出会えた」(目黒)、「共感してもらえると嬉しい」(阿部)、「いろんなシチュエーションに置き換えて聴けそう」(渡辺)(『QLAP!』10月号)と、3人の思い入れもたっぷり。タイトルでもある「360m」の意味を考えながらじっくり聴いてみてほしい。
10月8日からは今作をひっさげた全国ツアー『Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania』もスタートし、彼らの勢いは留まるところを知らない。クオリティの高い1stアルバムで、メンバー全員のハイスペックさを見せたSnow Manであるが、スーパースターらしからぬ飾らない姿とのギャップもまぎれもない彼らの魅力。次はどんなハイクオリティな楽曲と、思いもよらぬ姿で楽しませてくれるのか、これからも9人から一瞬も目を離せない。