案山子「真生活」、リリースから2年経ちバイラルチャート急上昇 最大の武器はメロディの軽快さとシンプルさにあり

参照:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(9月30日公開:9月23日~9月29日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:Ckay「love nwantiti (ah ah ah) 」
2位:オリバー・ツリー「Life Goes On」
3位:案山子「真生活」
4位:Chilli Beans.「lemonade」
5位:DADA「High School Dropout」
6位:BE:FIRST「Shining One」
7位:CKay「love nwantiti (feat. Dj Yo! & AX’EL) Remix」
8位:Yagih Mael「Mood (Lofi) 」
9位:Interupt「Power (In Your Soul) feat. Luna LePage」
10位:THE ANXIETY, WILLOW, Tyler Cole「Meet Me At Our Spot」

 冒頭から私事で恐縮だが、バイラルチャートで初めて知るアーティストも多い。特にこの3カ月くらいは、毎週その数が両手を使っても足りないくらいである。そこが個人的には一番の刺激なのだが。バイラルチャートで曲を知り、そのアーティストについて検索をかけても、オフィシャルホームページはおろか、情報がほとんど出てこないなんてこともざらだ。これは、バイラルチャートが楽曲ありきで拡散された結果のチャートだということを物語っている。

 今週3位にランクインした案山子も、まだまだ謎多きアーティストだ。2017年からボカロPとして活動をスタートさせた案山子は、2018年にシングル2曲、6曲入りEP『blue』、2019年に9曲収録のフルアルバム『rouge』、2020年にシングル1曲を発表している。現在Spotifyで確認できる案山子の楽曲は、バージョン違いも含め18曲。しかし、オフィシャルYouTubeにMVとしてアップされている動画は16本もあり、さらにMVだけで公開されている楽曲もある。MVのほとんどは、イラストを使ったリリック動画。曲調や歌詞の内容に合わせ、イラストのタッチを変えるなど工夫も見られる。2018年のシングル曲「啼くowl」では、ニコニコ動画で殿堂入りも果たしており、もともと映像ありきで音楽を作ってきたのではないかと想像できる。

 今回ランクインした「真生活」は、2019年に発売されたアルバム『rouge』の収録曲で、MVが公開されたのも同年。それが、今になってバイラルチャートに突然ランクインしてきた。9月21日にバイラルデイリーチャートで13位に初登場すると、数日で5位まで順位を上げ、トップ3に名を連ねるまでに至った。10月初週現在、TikTok内ハッシュタグ「#真生活」では視聴回数240万回以上を突破。“歌ってみた動画”も数多く投稿されているが、面白いのは「#後で会おうなんてばかみたい」と、歌詞のワンフレーズがハッシュタグになり、様々なシチュエーションの動画がアップされているところだ。手振りもキュートな踊ってみた動画、自撮り、風景、さらにアニメのキャラクターやアイドル、俳優、自分の恋人に至るまで「推しキャラ」をまとめた動画が多いのも興味深い。

案山子「真生活」feat.初音ミク MV



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