三浦大知、GACKT、松本梨香、スカパラ×アレキ川上……音楽シーンのトレンド反映された『仮面ライダー』主題歌の変遷

 さらに、ライダーソングにはこのためだけに結成されたユニットやコラボも多く、平成ライダーでも上木彩矢 w TAKUYAやMitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEなどあったが、特に令和になってからの作品は、豪華で意外性溢れる組み合わせで楽しませてくれている。

 令和最初のライダーとなった『仮面ライダーゼロワン』では、西川貴教とLUNA SEAのJがコラボユニット、J×Takanori Nishikawaを結成。主題歌「REAL×EYEZ」は、疾走感溢れるロックサウンドと西川のパワフルなボーカルによって、新時代の到来を高らかに歌い上げた。『仮面ライダーセイバー』は、東京オリンピック閉会式にも登場した東京スカパラダイスオーケストラが[Alexandros]の川上洋平をボーカルに迎えた。彼らが担当した「ALMIGHTY〜仮面の約束 feat.川上洋平」は、ホーン隊の軽快なサウンドがファンタジックな世界を行き来する物語の世界観とも重なり、川上の熱い歌声が視聴者の胸を打つ楽曲となった。

「ALMIGHTY〜仮面の約束 feat.川上洋平」(Special Edit)Music Video / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA

 そして冒頭でも触れた通り、現在放送中の『仮面ライダーリバイス』ではDa-iCE feat.木村昴が主題歌「liveDevil」を担当。トラップを取り入れた重厚なサウンドと花村想太のハイトーンボーカル、そして木村のキレのあるラップが見事に融合し、今の時代にフィットした楽曲が誕生した。Da-iCEは、アニメ『ONE PIECE』(フジテレビ系)の主題歌を担当していることでも知られ、木村は仮面ライダーバイスの声で本作に出演しているほか、数多くの人気アニメに出演する人気声優だ。今をときめく2組の共演は、まさしく2021年を象徴していると言える。

Da-iCE feat. 木村昴 / liveDevil(『仮面ライダーリバイス』主題歌)/Lyric Video

 人気アーティストが担当することで楽曲単体としても成立し、子供だけでなく大人も一緒に楽しめるものとなったライダーソング。少子化という背景もありながら、現在の視聴者は子供だけでなく、『仮面ライダー』を見て育った大人や、若手俳優の登竜門とも言えるライダー作品をチェックしたいという層も多いはず。そうしたターゲットに合わせ、時代やトレンドを意識するのは当然のこと。その点で平成以降のライダーソングは、その都度実に絶妙な人選で主題歌を制作してきたと言えるだろう。『仮面ライダー』の主題歌を聴けば、その時代が分かる。ライダーソングの変遷を知ることで、音楽シーンのトレンドにも触れることができるのだ。

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