Rain Drops、1年半の活動が築いた切磋琢磨できる関係性 音楽とストイックに向き合うグループの現在地

Rain Dropsの現在地

 「にじさんじ」に所属するバーチャルライバーが集結したRain Dropsが、1stフルアルバム『バイオグラフィ』をリリースした。今作はアルバムリード曲の「エンターテイナー」を手がけた「じん×堀江晶太」のタッグを筆頭に、ボカロ界隈で頭角を表す煮ル果実やsyudou、J-ROCKやアニメ音楽と親和性のあるQ-MHzやヒトリエなど多種多様な分野に精通するクリエイターが参加している。

 性別も年齢も種族もばらばらな6人のVTuberが集まった異色のグループである彼らにとって、これまでの活動が容易ではなかったことは想像に難くない。前例がないゆえに戸惑いも大きいことだろう。そこで本記事では、これまでの楽曲制作やライブ活動を通して、徐々に見え始めてきたものや、グループだからこそ芽生えた気持ち、心境の変化、見えてきた課題について、メンバーの童田明治(読み:わらべだめいじー)、える、ジョー・力一(読み:じょーりきいち)の3人に語ってもらった。Rain Dropsの魅力とは、いったい何だろうか。(荻原梓)

「これがRain Dropsだ」と言えるアルバムになった(童田)

Rain Drops – 9/22発売『バイオグラフィ』XFDムービー

ーー今回の1stフルアルバム『バイオグラフィ』はどんな作品になりましたか?

える:はじめてのフルアルバムということで、単純に曲数が多いのはひとつの魅力かなと思います。ユニット曲があったり、ソロ曲に挑戦したメンバーもいます。そういう意味では全員にフォーカスの当たった作品になりました。6人全員の曲ももちろん聴いてほしいですが、ユニットやソロ曲はそこでしか伝えられない雰囲気を感じ取ってほしいですね。

童田明治(以下、童田):レコーディングしているときはどういうアルバムになるのか全然頭に浮かんでなくて。いろんなジャンルを歌ってきたので、これが一枚になったときにどうなるかピンと来ていませんでした。でも実際聴いてみると「これがRain Dropsだ」と言えるアルバムになったと思いましたし、自分たちの個性もちゃんと伝わるアルバムにもなったと思います。

ジョー・カー(以下、力一):レコーディングをする中で、あまりコンセプトやテーマは意識せずにやっていたんです。でも出来上がった曲が集まって一枚になったとき、思いのほかシリアスになったというか、真剣なものになったなっていう印象を持ちました。なんとなく切実に訴えかけてくるものがあるんですよね。いわゆる“バラエティ豊かな”という表現だと少し軽いというか。やっぱり僕らも曲を出したりライブをやったりっていう活動を通して、自分たちがどうなりたいかとか、どういうものを発信したいかをちょっとずつ掴めてきた部分があって。そこにクリエイターの皆さんが楽曲で応えてくれたんだと思いますね。

ーーそれこそ力一さんが歌ってる「ブギーマン」はラップがメインのアグレッシブな楽曲ですよね。

力一:僕は割とラップ大臣なんです。ただ、これまでもラップパートを担ってきたんですけど、どちらかというと曲の展開の中で差し込まれてるものが多くて。「ブギーマン」はベースの部分にラップがあって、緑仙と三枝(明那)と代わる代わるラップしていくアプローチを取りました。なおかつ、なんていうのかな……スラム感?

童田:めっちゃガラ悪いよね(笑)。

力一:悪人面っていうのかな、ダークヒーロー的な。童田がこの前、何ディヴィジョンって言ってたか忘れたけど(笑)。よくレコーディング現場のボーカルディレクションで”ヴィラン感”みたいなことを言われてきたんです。最近は変に背伸びせず、伸び伸びと”ヴィラン”をやれるようになったので、自分としても表現の幅が広がってきたのを感じていて。”ヴィラン感”の話でいうと、ちょうど今インタビューを受けている3人で「蜜ノ味」(1stミニアルバム『シナスタジア』収録)を再録したんですけど、この曲もまあガラ悪いもんね。

童田:〈他人の不幸は蜜ノ味〉だもんね。

力一:この曲のレコーディングでも「もっとヴィランみたいにしましょう」って言われてました。レコーディングと言えば、今回童田のソロあるじゃん。

童田:そうなんだよね。

ーー8曲目の「きこえ」ですね。

童田:Rain Dropsって6人だから普通だったら純粋に歌割りが6等分されるじゃないですか。でも当然ですけどソロだと1人で歌うわけですよ。なので本当に大変だったんですけど、最初に曲を聴いたときに「あ、自分の曲だ」と思ったんです。なんていうか、歌ってる自分を想像できたんです。出来上がった音源を聴いたときも自分の曲になったとちゃんと感じられて。今回のアルバムにもしっかり溶け込めてる感じがしていてすごく好きです。

ーーこの曲を歌う上で何か意識したことはありますか?

童田:メンバーのみんなのことを思って歌いました。Rain Dropsもたまに衝突することがあって、それもグループをより良くしていくためには必要なもので、乗り越えていかなければいけない。〈変わらない変わらないでもいいや〉っていうフレーズがあるんですけど、そこに個人的には相手の悪いところも全部受け入れていくような優しさを感じて、グッときますね。

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