mihoro*、日々を明るく照らす希望のメッセージ ステージからたくさんの愛を届けた『LIVE TOUR “love is alive”』

mihoro*、ステージから届けた愛

「6月にメジャーデビューしてから、特に何の実感も沸かなかったんだけど、やっぱりこうしてみんなの顔を見てライブができていなかったからなんだなって、すごい思います」

 mihoro*は会場にいる一人ひとりの顔をゆっくりと見渡しながら、感極まった表情でそう言った。

 メジャーデビュー作となったミニアルバム『love is alive』を提げて、岡山と大阪を回ってきたツアーの東京・下北沢CLUB251公演。ライブ終盤で彼女が素直な言葉で客席に語りかけると、会場中に温かい拍手が響き渡った。高校1年生の時に本格的にライブ活動を開始したmihoro*は、地元の岡山から大阪や東京への遠征ライブもコンスタントに続けてきた。コロナ禍で有観客開催としては約2年ぶりとなった今回のライブに対して、「久しぶりでライブのやり方を忘れちゃってるかもな、楽しみよりも怖いなっていう気持ちが大きくて……」と正直な心境も吐露しつつ、「久しぶりに東京で、しかもバンド編成でライブができて嬉しいです」と笑顔を見せた。

 1曲目はナイーブなギターロック「ナチュラルハイ」から幕を開けた今回のステージ。金髪のロングヘアに青と赤のコントラストが効いた衣装、キラキラのアイメイク、アクセサリー……どれも同世代だったら真似したくなるような個性的なスタイリングで存在感抜群。弾き語りライブも多い彼女だが、今回はmihoro*を中心に、白いTシャツ+黒マスクで揃えたバンドメンバーが加わった5人編成で、リアルな心情を綴った楽曲を、よりダイナミックにエモーショナルに届けていく。

 ミニアルバム『love is alive』は70もの候補曲の中から、ライブでも披露していない新曲ばかりを詰め込んだという意欲作である(※1)。それだけに、みんなの前で届けられる日をmihoro*自身、待ちわびていたことだろう。「遊んでたの、知ってるよ。」や「コドモノママデ」といった人気曲で、観客と一緒にハートウォーミングな空気感を生み出した前半を経て、ミニアルバム『love is alive』収録の新曲を畳み掛けるように投下した後半は、さらに大きなドラマを生み出していった。特に、たとえ分かり合えなくてもいつも側にいればそれでいいという、mihoro*らしい価値観が前向きな明るさを曲に宿す「分かり合えないよ」はひとつのハイライト。初めてメッセージソングに挑戦した「ミヤコワスレ」をひたむきに届ける姿も印象的だったし、好きな人が吸うタバコにさえ嫉妬してしまう究極のラブソング「馬鹿な女」へと続く流れでも、どっぷりとmihoro*ワールドに浸らせてもらった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる