新譜連載「本日、フラゲ日!」
Creepy Nuts、ジェニーハイ、yama、A.B.C-Z、UVERworld……9月1日リリースより新譜5作をレビュー
A.B.C-Zの新曲「夏と君のうた」は、作詞:小沢一敬(スピードワゴン)、作曲:奥田民生による異色のコラボで作り上げた一曲に。奥田の1980年代〜90年代テイストのミッドテンポロックのトラックに、独自の世界観で恋愛を語る“セカオザ”こと小沢が綴る、大切な人との思い出を懐かしむ歌詞が重なり、まるで夏のドライブ中、助手席にシートベルトで止めたラジカセから流れてくるような、“あの頃”の情景が浮かび上がってくるノスタルジックさを醸し出す。A.B.C-Zの歌声も、ナチュラルな爽やかさを放っている。10年先も20年先も聴き続けられる、いい意味で楽曲のいなたい雰囲気に見合ったエバーグリーンなハーモニーがとても心地よい。(一条)
2020年に結成20周年、デビュー15周年を迎えたUVERworldのニューシングル『来鳥江/SOUL』は、コラボレーションの手法をさらに推し進めた作品。俳優の山田孝之をフィーチャーした「来鳥江」は、アッパーなミクスチャー系バンドサウンド、感情を剥き出しにしたボーカルとともに、“周りに惑わされず、自分自身を貫く”という意思を刻んだ歌詞が響き渡るナンバー。そして青山テルマがゲストボーカルとして参加した「SOUL」は、疾走感のあるビートのなかで、攻撃的なラップとキャッチーな旋律が共鳴するパーティーチューンに仕上がっている。さらにこの2曲には、作詞・作曲に“愛笑む”(“ゴリラも踊れるミュージック”を掲げたミクスチャーバンド、徳川eq.のボーカリスト)が参加。バンドの枠を完全に超えた意欲作だ。(森)