PENICILLINや己龍に続きDEVILOOFも……『有吉反省会』にゲスト出演が頻発 ヴィジュアル系がバラエティに求められる理由
『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)で度々放送された、かまいたちのLUNA SEAネタも、ヴィジュアル系とのミスマッチで笑いを取る構造だ。結婚披露宴や葬式のスピーチで、LUNA SEAの「ROSIER」や「DESIRE」を熱唱するというだけのコントなのだが、感動的なシチュエーションには明らかにミスマッチなダークで退廃的な世界観の楽曲をぶつけることで、笑いが生まれている。
そもそも、ヴィジュアル系が表現するかっこよさと笑いは紙一重だ。バラエティ番組に限らず、普段のバンド活動の中でも、どこかに穴があれば途端にギャグになる。たとえば、MVでアーティストが派手な衣装とメイクで作りこんでいても、背景に生活感があれば一気に面白くなってしまうし、本人がキメていればキメているほどコントのようになる。作りこんだ非日常的な世界観で自己演出している姿は、一歩引いてみると間抜けに見えがちだ。逆にいうと、隙をつくってはいけないので、常に100%、パーフェクトな姿で現れてくれるのがヴィジュアル系の魅力でもある。新曲のリリースやツアーの開催に合わせ、衣装やメイク、髪型、髪色などを毎回大幅に変えるバンドも多い。ヴィジュアル系=ナルシストというイメージが一般的に浸透しているが、実際に活動するヴィジュアル系バンドを見ていると、“自分ができる最大限のかっこいい姿を見せている人たち”と言うのが正しい気がする。
話は戻るが、地上波の人気番組である『有吉反省会』への出演は、バンドの存在を広く知らしめる大きなチャンスだ。番組から興味を持った人たちに対して、バンドが本来持つ魅力を見せることができれば、ブレイクのきっかけになりえる。バラエティを入口に、その先にあるヴィジュアル系のかっこよさに気づく人が増えれば嬉しい。
※1:https://youtu.be/0H5IOfmIn8c