IDOLiSH7は小さな幸せを呼び起こすアイドルだ 新シングル『THE POLiCY』に映し出された、寄り添う7人の姿
アイドルグループの在り方は多様化した。夢のような世界を演出するグループ、攻めの姿勢でファンを熱狂させるグループ……そのスタイルは様々だ。
IDOLiSH7は、素顔を多く見せることで共感を呼んできた。メンバー同士の絆や和やかな雰囲気といった等身大の魅力でファンを惹きつけてきた。手の届かない大スターというより、身近に感じて応援したくなるタイプのフレッシュなアイドルであり、コンセプトが優先されるグループではない。
逆に言えば、彼らはありのままで十分にアイドルとして成立する個性を有してきた。だが、この先その個性だけでは乗り越えられない場面もあるだろう。成長するということは、何かしらの変化を求められることでもあるからだ。この曲で彼らは〈話そうよ 夢何度 変わろうと〉〈永遠じゃなくてもずっと〉という誠実さで、寄り添っている。誰かが力ずくで引っ張っていくわけでも、無理矢理背中を押すわけでもない。ただ隣にいて、尊重しあい、それぞれの関係を諦めずに続けてゆく。それはメンバー間に限ったことではなく、ファンをはじめとした彼らを作るすべての人々に向けられているのだろう。
私たちはアイドルという存在に、様々なものを求めてしまう。求めているものは人によって違い、またアイドルたちもその全てに応えられるわけではない。だが本当は、彼らが揃って表舞台にいてくれるだけで満たされる気持ちがあり、日々の活力や喜びを得ることができる。そんな小さな幸せを呼び起こしてくれる今回のシングルには、IDOLiSH7のアイドルとしての本質がつまっている。