『Girls Planet 999:少女祭典』テーマソング、バイラルで存在感 “ネクストNiziU”としても期待したい多方面な聴きどころ

 「O.O.O (Over&Over&Over)」は、「シグナルソング」(=番組テーマソング)として発表され、Kグループ(韓国)、Cグループ(中国)、Jグループ(日本)からなる参加者99名による、あくまでデビュー前の楽曲だというから驚きである。セクションによって目まぐるしく変化するビートは何度聴いても新鮮で、多様なジャンルを織り交ぜた構成は最後までリスナーを飽きさせない。最近ヒップホップでよく用いられる手法、ビートスイッチの影響を強く感じる。ビートやアレンジが多彩に変化する一方で、歌詞は一貫したコンセプトによって組み上げられているようで、プロジェクト名の「planet」や「999」というワードから想起されるSF的な銀河のイメージ通り、星や宇宙をモチーフに想いをつなぐ物語となっている。サビで繰り返される〈Over〉は、無線通信で通話の最後に用いられる定型句、いわゆる「どうぞ」と符合しており、想いを寄せる他者への儚い呼びかけとも受け取ることができる。

 『Nizi Project』や『PRODUCE 48』など、さまざまなオーディションプロジェクトが展開されるオーディションアイドル戦国時代に、『Girls Planet 999』から誕生するグループはネクストNiziUの座を射止めることはできるだろうか。まだまだ、オーディションの放映は続いており、今後の動向が気になるところである。これから選考が進むにつれ、より大きなムーブメントになることは間違いなさそうだ。

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