ラストアイドル 長月翠卒業ライブ、思い出の地KeyStudioで辿った4年間の軌跡 グループが迎えた大きなターニングポイント

ラストアイドル長月翠卒業ライブレポ

 そして、この卒業ライブにおいてハイライトとも言えるのがシューロケとしての「君のAchoo!」、LaLuceとしての「バンドワゴン」「Everything will be all right」である。シューロケでは松本ももな、小澤愛実の可愛い妹2人を姉として面倒を見る立場にいた長月。この4年で松本も小澤もラストアイドルを牽引するメンバーとして逞しく成長した。可愛さよりも、勇ましさ溢れる3人の「へっくしゅん!」からは“これが最後”という思いきりを、涙に頬を濡らす松本と小澤を抱きしめる長月の姿には卒業した後も変わらずに2人の姉でいる未来をイメージさせた。

 一方、LaLuceの阿部菜々実、鈴木遥夏、安田の3人は共にオーディションバトルを勝ち抜いてきた戦友であり、その後に待ち受けていたあらゆる困難を一緒に越えてきた心で通じ合う仲間である。これまで長月が何度も涙を見せてきた「バンドワゴン」では、メンバー全員が頬を濡らす感動のライブの幕開けに。特に滅多に泣き顔を見せたことのなかった阿部が涙している姿を見て、2人が口々に話す「最高の相棒」の関係だったことを改めて思い知らされた。

 長月へのサプライズとして歌われた「明日の空を見上げるために」を抜かすと、ライブ本編のラストを飾ったのは「Everything will be all right」。バトルの末に、LaLuceとしてシングル表題曲を勝ち取った思い出の詰まった楽曲である。その「すべてはきっとうまくいく」というメッセージはもちろん、力強い歌声で長月が歌唱した〈自分の伸びしろこんなもんじゃないよ〉という歌詞は、これから長月が歩んでいく新たな人生に向けた宣誓のように聞こえてならなかった。

 長月の卒業はラストアイドルにとっても大きな節目であることに間違いはない。プロジェクトスタートからこの8月で4年を迎えるラストアイドル。長月の意志を継いだ2期生や同期たち、阿部のさらなる変革が求められる4度目の夏がやってきている。

 

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