2021.04.29 13:00

ラストアイドル、高難度パフォーマンスから浮かぶ信頼関係　10thシングル『君は何キャラット？』発売記念イベント

文＝渡辺彰浩、写真＝Yoshifumi Shimizu

　ラストアイドルが4月28日に配信ライブ『10thシングル『君は何キャラット？』発売記念イベント』を開催。スペシャルゲストにROLAND、コメント映像に霜降り明星のせいや、粗品が出演した1時間余りの中で、ラストアイドルはライブ当日にリリースとなったシングル『君は何キャラット？』に収録の全曲をパフォーマンスした。

　まず披露されたのはシングル表題曲「君は何キャラット？」だ。今作でラストアイドルは「日本とインドの融合」をテーマに、インド古典舞踊をベースとしたボリウッドダンスに挑戦。ボリウッドダンス界のパイオニアと呼ばれる関本恵子を指導者に迎え、振り付けは7thシングル曲「青春トレイン」よりすっかりお馴染みとなったakaneが担当している。冠番組『ラスアイ、よろしく！』（テレビ朝日系）のヒロインオーディション企画で1位に輝いた西村歩乃果が初のセンターポジションを務める。

　パフォーマンスを観て驚いたのは、メンバー36人で繰り広げる圧巻のフォーメーションダンスだ。左右に顔をスライドさせる首の動き、体重移動と同時に上半身を前後させるディッピングと呼ばれるステップ、かかとを軸としたインド式のターンを基本形に、メンバー全員がめまぐるしくステージを移動していく。後のMCでメンバー自身も話しているが、最大の見せ場は間奏部分でやってくる、西村を中心にメンバーが円を描きながらステップを踏むパートだ。一人ひとりが違った振付で進んでいく、お互いの信頼関係が鍵となってくる非常に難しいパフォーマンスである（振付動画としてYouTube公式チャンネルに公開されている「Dance Practice ver.」ではさらにその凄さが分かる）。

　今作は「青春トレイン」以来、久々の全員選抜曲。ラストアイドルは「好きで好きでしょうがない」（1期生のみ）、「大人サバイバー」、「青春トレイン」と幾度かの全員選抜シングルを経てきたが、明るくポップな曲調での全員選抜は初めてであり、まさに記念すべき10枚目シングルを祝した表情豊かなお祭りソングでもある。ムードメーカーであり、責任感の強い西村にとってぴったりの楽曲だとその笑顔を見て改めて感じた。

　さらにファン投票によって選ばれた奥村優希、畑美紗起、鈴木遥夏、小澤愛実、高橋みのり、間島和奏、西村、橋本桃呼、町田穂花の9名からなるユニット・オレトクナインが「瞳キラキラ」を初披露。その純白の衣装はメンバーのリクエストを参考に制作されており、歌詞や曲調、振付に至るまで、全てが王道アイドルと呼べるものに。メンバーにとっても宝物と思える大切な1曲になったようだ。

　また、2期生アンダーは「バカ丸出し」、2期生は「炭酸の泡ほど僕は泣いた」、1期生は「Stupidにもなれずに・・・」と期生別のシングル収録曲もそれぞれ初披露された。

　篠原望をセンターにした爽やかな曲調の「バカ丸出し」、橋本桃呼がセンターを務めakaneが振付を担当した「炭酸の泡ほど僕は泣いた」と続く中、より目を引いたのは「Stupidにもなれずに・・・」だ。言ってしまえば2期生アンダー、2期生は従来のイメージを守りつつパフォーマンスをアップデートした楽曲であるが、「Stupidにもなれずに・・・」は1期生の貫禄を曲調にぶつけたかのようなロックサウンドにLaLuce、Good Tears、シュークリームロケッツ、Someday Somewhere、Love Cocchiと各ユニットがパフォーマンスを見せつけていく斬新なフォーメーションだったからだ。

　3年という歳月の中で少なくなってしまった1期生メンバーの今も表しているが、バトルを経てライバルが集結したようなオールスター性、さらに背中を預けられる関係性の阿部菜々実と長月翠の2人がセンターに立つシーンもファンにとっては胸熱のポイントである。

　ラストアイドルにとってのライブチューン「眩しすぎる流れ星」を最後に、今回の配信ライブは幕を閉じた。西村がアナウンスしていたように、ラストアイドルは4月30日に放送の『ミュージックステーション』（テレビ朝日系）に生出演。霜降り明星のせいやとのコラボレーションで「君は何キャラット？」を披露する。MVに男性ダンサー役として出演しているせいやを交えてのダンスはメンバー36名での形とはまた別物。西村とせいや2人の息のあったダンスが最大の見せ場となる。VTRで粗品がツッコミを入れていた、一足早く腕組みのポーズを決め、曲を終わろうとしているせいやが飛び出してしまうのか。せいやを入れての「君は何キャラット？」は貴重なパフォーマンスになりそうだ。