神はサイコロを振らない柳田周作×アユニ・D×ヨルシカ n-buna 特別鼎談　他者との交わりで開かれた“新しい扉”

文・取材＝黒田隆憲

n-bunaとの共作で発見した“神サイらしさ”

神はサイコロを振らない × アユニ・D(BiSH/PEDRO) × n-buna from ヨルシカ「初恋」Studio Session Movie

ーーでも、誰かとコラボすることによって普段気づかなかった「自分らしさ」に気がついたり、あるいは相手の「その人らしさ」がいつもより浮き彫りになったりすることってあるのでは？

柳田：めちゃめちゃありますね。それは、メンバーもすごく感じていたみたいです。というのも、今までずっと「柳田周作」というボーカルの後ろで演奏してきて、今回アユニさんという別のボーカリストを迎え入れたことで、初めて柳田の歌い方のクセに気づいたと言っていました。アレンジ面でもそう。今回、僕ではなくn-bunaさんがデモを作っているわけじゃないですか。ギターフレーズから何から「n-buna節」というか、n-bunaさんの手グセも詰め込まれているんですよ。リフを聴いただけで「あ、ヨルシカっぽい」と思いますし。そういうn-bunaさんの作ったグルーヴを、「神サイのグルーヴ」にしていく作業に彼らは珍しく夢中になっていました（笑）。そういうところで逆に「神サイらしさとは？」みたいなところにも向き合うわけで。それが今回、やっていて一番楽しかったことの一つだったのかも知れないです。

n-buna：みんな、本当に楽しそうでしたよね。それでいてストイックで前向きにレコーディングに臨んでくれていたなと思いました。メンバー全員がスタジオミュージシャンのようなプロ意識を持っていたから、僕も普段仕事でやりとりしているスタジオミュージシャンといるような気持ちで、とてもリラックスして作業ができました。機材のセレクトからチューニング、マイクのセレクトや竿（ギターやベースのこと）のチョイスまで、一緒に考えながらより良いサウンドを追求することができる現場でしたね。

アユニ：今回の曲は、お二人の「らしさ」が詰まっていますよね。イントロが流れた瞬間に「あ、これn-bunaさんっぽい」と思いましたし、周作さんの歌声を聴けば「神サイだ！」ってなるし。私自身はn-bunaさんと神サイさんに「染めてもらった」というか。普段BiSHでもすごく奇抜な曲を歌ったり、時にはストレートに突き刺さるような綺麗な曲を歌ったり、枠にハマらないのがBiSHらしさだと思ってやってきたし、今回もある意味「今までの私じゃない」ところが私らしさみたいな。そういう「新しい引き出し」を与えてもらったような気がします。

ーーすでにスタジオセッション動画が公開されていますが、「これ、本当にアユニさん？」みたいな、驚きのコメントがたくさん寄せられていましたね。

アユニ：そうなんです。この歌声もまた「私らしさ」になっていくんだろうなと。そう思うと宝物を授かったような気持ちにもなりますね。

柳田：ビデオでは曲の途中、“ラララ〜”でアユニさんと一緒に歌うシーンがあって。そこでアユニさんの方を見ながら歌うんですけど、僕、女性の顔を見ながら歌ったこととかあまりなかったので、すごくニヤニヤしてしまって……（笑）。何テイクもやり直しになりましたよね。

アユニ：あの時は、カメラを回していない時も楽しかったですね。神サイの皆さんが、突然謎のセッションというか、「ゆるふわレッチリ（Red Hot Chili Peppers）」みたいな曲をやり始めて（笑）。周作さんがちょいちょいボケてるのにメンバーの皆さん、誰もツッコミもしなくて。私一人で笑いをこらえていました。

ーー（笑）。そして今回、リリックビデオにも柳田さんのこだわりが詰まっているとか。

柳田：そうなんです。この曲って「海」が歌詞の中にずっと出てくるんですけど、結局この2人は一緒に海を見に行けなかったという歌なので、リリックビデオではあえて海のシーンを出さず、山の見える田舎で女の子が本を読んでいるシーンが長回しのように続くんです。すごくシンプルだからこそ、見た人の想像力で膨らませてもらえたら嬉しいですね。

n-buna：海が映ってないのに、ちゃんと脳裏に海が浮かんでくるのがすごくいいですよね。それってまさに、映像と音楽の相乗効果。夏っぽい絵のタッチもすごく素敵です。

アユニ：女の子の雰囲気も最高ですよね。

ーー来たる7月22日には大阪で、神サイとPEDROのツーマンライブ（『GM＋』）が行われるそうですね。ひょっとして「初恋」の再現も……？

柳田：どうでしょう（笑）。繊細で難しい曲だから上手く合わせられるかな。やるならイスにでも座って、リラックスして歌いたいですね。

アユニ：そうですね、練習しておかないと……（笑）。

n-buna：アコースティック編成でやっても良さそうですよね。

柳田：確かに！　せっかくのツーマンなので、ちょっと当日までに考えておきます。

■リリース情報
1st Collaboration Single
神はサイコロを振らない × アユニ・D（BiSH／PEDRO）× n-buna from ヨルシカ
「初恋」2021年7月16日（金）　デジタルリリース
配信はこちら
「Uta-Net」：https://www.uta-net.com/song/304389/

■ライブ情報
Live Tour 2021『エーテルの正体」』＜TOUR FINAL＞
9月22日（水・祝前日）【大阪】Namba Hatch　＊5月28日（金）【大阪】Namba Hatch振替公演
チケット料金 3,500円（税込・ドリンク代別途）
・ローチケ
https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=494875
・イープラス
https://eplus.jp/sf/word/0000082516
・ぴあ
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=G1080020

◆GM+
7月22日（木・祝）【大阪】Namba Hatch
出演：神はサイコロを振らない・PEDRO ＜2MAN LIVE＞
前売りチケット：￥4,800（別途ドリンク代￥600必要）
https://eplus.jp/gmp/

◆TREASURE05X 2021
8月21日（土）【愛知】ダイアモンドホール
https://www.treasure05x.jp/

◆MONSTER baSH 2021
8月22日（日）【香川】国営讃岐まんのう公園
https://www.monsterbash.jp/#

◆SWEET LOVE SHOWER 2021
8月27日（金）【山梨】山中湖交流プラザきらら
https://www.sweetloveshower.com/2021/

◆RUSH BALL 2021
8月29日（日）【大阪】泉大津フェニックス
https://www.rushball.com

■関連リンク
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