ベラ・ポーチ、TikTok発インフルエンサーのデビュー曲がバイラル首位 多くの共感生んだ「あなたらしく」というメッセージ
参照:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest
Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(6月10日公開:6月3日~6月9日集計分)のTOP10は以下の通り。
1位:ベラ・ポーチ「Build a Bitch」
2位:西野カナ「Best Friend」
3位:natsumi「イージーゲームfeat.和ぬか」
4位:Måneskin「ZITTI E BUONI」
5位:西野カナ「会いたくて 会いたくて」
6位:Måneskin「I WANNA BE YOUR SLAVE」
7位:西野カナ「if」
8位:西野カナ「トリセツ」
9位:西野カナ「No.1」
10位:西野カナ「遠くても feat. WISE」
先週からバイラルチャートを席捲している西野カナの勢いは、今週も健在だ。彼女の楽曲が、どれだけ多くの人から共感を得ていたのかが伺える結果といえる。バイラルチャートは、ユーザーが楽曲を聴いて共感共有した、つまり他人にシェアしたアクションが反映されている。ゆえにTikTokやYouTubeなど、SNSとの親和性が高い。友人や知人に共感をシェアする。このアクションは、インターネットというインフラがなかった時代の“口コミ”の現象に近いのではなかろうか。シェアの共有の気軽さや拡散の速度や規模は、前述したインターネット前時代と比べ物にならないほど大きく、シェアが口コミの進化系とは言い難いが、それでも感覚的に似ている部分があると思う。
口コミが口コミを呼ぶーーつまりシェアがシェアを呼び、今週のバイラルチャート1位に躍り出たのがベラ・ポーチの「Build a Bitch」である。TikTokから火が付きヒットする曲は定期的に出てくるが、彼女が面白いのは、楽曲よりも先に「彼女の存在」が世界中で認知されていたというところだ。彼女はTikTokで世界3位、アジア圏に絞ると1位のフォロワー数を誇るアジア系アメリカ人のインフルエンサーである。2020年4月にTikTokに動画を初投稿。2021年6月中旬現在でのTikTokフォロワー数は7280万にものぼる。しかし、彼女の歴史を遡ると、これまた面白い。ベラ・ポーチは、幼少の頃から歌の才能を評価され、両親に内緒で出場した数々のコンテストやコンクールで30個以上のメダルを獲得している。高校生になると曲を作り始める一方、17歳でアメリカ海軍に入隊。4年間アメリカ全土と日本で、ヘリコプターやジェット機の作業に従事し、契約終了後にハワイへ移り住んでいる。そんな彼女のTikTok投稿からは、ゲーマーであり日本のアニメ好きなことが伺えるのも面白い。