NiziU RIO&RIKU、日常やパフォーマンススタイルに表れる頼もしさ グループを牽引するしっかり者コンビ
しかしこの“リオリク”コンビのパフォーマンスにおいて目を引くのは、確かなスキルによって裏付けされる洗練性と同時に、人間味のあるナチュラルさも光っている点だ。指先まで研ぎ澄まされた“自律”を思わせる身体性と、素朴なあたたかみが感じられる歌声によってリスナーの心を和ませるRIO、その人となりが映し出される真っ直ぐな歌声を自然な笑顔でオーディエンスへ届けるRIKUは、ステージ上のNiziUにおける“ペースメーカー”をピュアな魅力と共に務めている点で共通しているように映る。
思えば『Nizi Project』において、RIOはJ.Y. Parkから下された“オーディエンスとのディスコミュニケーション”という課題点を「(J.Y. Parkの指摘に)すごく納得しました。いま私は、これまで(私が)経験してきたダンスコンテストではなく、歌手、アイドルグループになるためにここへ来ているわけですから」と受け入れ、その後披露したパフォーマンスでの成長で応える姿が印象的であった。またRIKUも“動作感のグルーヴや感情表現の欠如”を指摘された際、他の練習生やトレーナー陣から投げかけられた「自分らしく」という声を信じ「自分が楽しまないと、観てる方に楽しさは伝えられない」という思いで見事課題を乗り越えていった。
意思の固さとともに、周囲の声を受け入れる素直さを兼ね備える“リオリク”の魅力は、そのまま両者のパフォーマンススタイルにも表れているものだ。そしてそんな二人の持つ「変わらない頼もしさ」と「変われる頼もしさ」こそ、今後のNiziUが新たな表現域へと踏み出す上で重要なキーポイントとなっていく予感がしてならない。
■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter:@podima_hattaya3