meiyo、自らを救った存在=ポップと向き合う 問答無用の楽しさ溢れたワンマンライブ『POP IDEA』

meiyo、自らを救った存在と向き合う一夜

 12月11日、meiyoのワンマンライブ『meiyo ONE-MAN LIVE 「POP IDEA」』東京編が、渋谷WWWにて開催された。12月8日開催の大阪編の後、meiyoは自身のX(旧Twitter)で「大阪編で確信しましたが、楽しいライブになります。 音楽が好きな人! ポップが好きな人! フフってなるもの,面白いもの,興味深いものが好きな人! どなたでも予習無しでも楽しめると思います。明日、WWWで会おう!!!!!」(※1)と投稿していた。先に結論から書いてしまえば、彼の事前の予告どおり、問答無用の楽しさで満ち溢れた最高の一夜となった。彼のポップへの愛、そして、集まった観客全員を楽しませるためのアイデアが凝縮された同公演の模様を、順を追って振り返っていく。

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

 遊び心に満ちた開演前のアナウンス、さまざまなポップソングをコラージュしたSEを経て、バンドメンバーが一人ひとりステージイン。快活なセッションに合わせてフロアから熱烈な手拍子が巻き起こり、満を持してmeiyoが登場。オープニングナンバーは「うろちょろ」。アコギを懸命にかき鳴らしながら情熱的なエモーションを歌い届け、続く「KonichiwaTempraSushiNatto」では、力強く躍動するバンドサウンドに身を委ね、しなやかに身体を揺らしながら熱きダンスフィーリングを共有していく。「クエスチョン」では、観客のハンズクラップに対して「いいね!」「うまい」と応える。2番サビ前では「嬉しい、楽しい、大好き」と胸の内の想いをまっすぐに伝え、フロアから大歓声が巻き起こる一幕も。「今日みんなで最高の一日にしましょう!」という力強い呼びかけを挟みつつ、「レインボー!」「HOPE!HOPE!HOPE!」へ。自ら何度も拳を突き上げながら会場全体の一体感と高揚感を高めていくmeiyo。観客も負けておらず、「ココロ、オドルほうで。」における〈損損〉〈オドラセロ〉のコールアンドレスポンスもばっちり決まっていた。

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

 最初のMCパートで、meiyoはオフマイクで、「みんな、ポップが好きか!」と力強く呼びかけ、オーディエンスは「大好き!」とめいっぱいの声で返答。続けてmeiyoは、いろいろなアーティストがMCで「イヤなことを忘れて楽しみましょう」といった内容を語ることを踏まえつつ、「今日はイヤなことを思い出す暇もないくらいたくさんのアイデアを用意してきた」と伝える。そして、ここでほかのアーティストへ提供した楽曲をセルフカバーするコーナーへ。まず披露されたのは、WEST.への提供曲「まぁいっか!」。〈大好きな君のために歌っていいかな〉というド直球のアイドルソングの歌詞がmeiyoから歌い届けられ、フロアから並々ならぬ歓声が上がった。続いて、Adoへの提供曲「クラクラ」へ。まるで制御不能なジェットコースターを果敢に乗りこなしながら、観客全員とともにポップの最果てを目指していく怒涛の展開。圧巻のライブパフォーマンスだった。

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

 続いて、アコースティックコーナーへ。meiyoは、手元のiPhoneで、観客の声とハンドクラップを録音し、そのサウンドをもとに、この日限りの特別なリズムトラックを作り上げ、その上に重なる形で、彼が敬愛するKANの「IDEA」のカバーを披露してみせる。meiyoは、「みんな、一緒に歌いましょう」「(音程が)高い人は低くてもいいよ」と呼びかけ、それに応える形で次第に観客による歌声が重なっていく。

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

 続いて「Cat Scat」へ。KANのある楽曲が、ギターとキーボードなし、つまり、歌、ドラム、ベース、コーラスのみで構成されていることを説明したうえで、今回はそうした大胆なアレンジに敬意を込めて、同じ編成で「Cat Scat」の演奏に挑戦。まずは練習として、サポートメンバーを含めた3人でアカペラで歌い出す。3人のコーラスワークはばっちりで、KANへの並々ならぬリスペクトがあらためて伝わってきた。

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

 一度止めて本番に入るかと思いきや、そのままラスト寸前まで3人のアカペラで突き進み、ドラム&ベースが合流して、再び頭から「Cat Scat」を披露。ギターとキーボードがないアレンジではあるが、この曲が本来誇っているチアフルさ、カラフルさは失われておらず、また、引き算のアレンジによってリズムの存在感が前傾化し、ライブの空間で非常によく映えるアレンジだったように思う。とってもスペシャルな名演だった。

meiyo(撮影=後藤壮太郎)

 2分間の休憩(その間、バンドメンバーがグッズを紹介)を挟み、「ねぇよな!」から後半戦へ突入。「PAKU」では、meiyoの「みんな、まだまだ声出し足りてないんじゃない?」という呼びかけに応えるように、観客が手のひらを開いたり閉じたりしながら大きな歌声を重ねていく。「っすか?」では、観客が何度も一斉ジャンプを繰り返し、「なにやってもうまくいかない」では、meiyoによる「大声で歌いましょう!」「まだまだ!」「もっと大きな声で!」という煽りを受けて、これまででいちばん大きな歌声が響く。あまりにも熱烈な展開だ。

meiyo(撮影=後藤壮太郎)
meiyo(撮影=後藤壮太郎)
meiyo(撮影=後藤壮太郎)
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