新譜連載「本日、フラゲ日!」
日向坂46、あいみょん……5月26日リリースより新譜5作をレビュー
毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は5月26日リリース作品より、日向坂46『君しか勝たん』、あいみょん『愛を知るまでは/桜が降る夜は』、AJICO『接続』、GRAPEVINE『新しい果実』、さとうもか『Love Buds』の5作品をピックアップした。(編集部)
日向坂46の新シングル『君しか勝たん』では、各期生楽曲が充実。高らかなファンファーレが、休養メンバーの復帰を祝福するような「世界にはThank you!が溢れている」は2期生、ポップなスキャットが瑞々しさを放つ「Right?」は3期生がそれぞれ歌唱をしている。また、1期生曲「どうする?どうする?どうする?」は、コロナ禍の情勢を充て書きしたものに。〈出口はどっち? 苦しいこの状況を 脱出できるその方法〉などの歌詞を、1990年代のJ-POP的なブラスファンクに重ねて笑顔で歌いこなす姿は、“いつもそばにいる”というアイドル性を大いに映し出している。ほか、声優・武内駿輔がJack Westwood名義で作編曲した佐々木久美「NIGHT FLIGHT」など、メンバー個人PVも秀作揃い。(一条)
もはや語り尽くされた言説かもしれないが、改めてこう言いたい。あいみょんの音楽は、どこまでも“普遍”に満ち溢れていると。新シングル『愛を知るまでは/桜が降る夜は』収録曲「愛を知るまでは」は、ドラマ『コントが始まる』(日本テレビ)主題歌として、何かを諦めそうな時に“もう少しだけ粘ってみよう”と、自身の背中を押してくれる応援歌となっている。特に、サビのゆったりとした歌い回しは、歌詞の内容も相まり、人生を生きていく上でのスローガンを堂々と宣誓するようでもあり、〈愛を知るまでは死ねない私なのだ!〉という存在証明をするかのようなフレーズは、その象徴といえる。まるで広い青空や海のように、誰もの悩みを優しく受け止め、それに共振できるあいみょん。最早、ポップスターというか、普遍性の権化である。(一条)