プロダンスリーグ『D.LEAGUE』ROUND.9レポート 激化する首位争い、“野生的”パフォーマンスで魅了
トリを飾るのは前回の覇者にして総合ランク1位のFULLCAST RAISERZ。KRUMPの文化である「BAD GUY」というスタイルを用いた、ストーリー仕立てのショウケースで勝負する。彼らがまたゲームをひっくり返すかと思われたが65点に留まり、オーディエンスポイントを含めた結果でもSEPTENI RAPTURESがROUND.9を制した。
ディレクターのakihic☆彡は「メンバーに入っているOVERSTEP CREWの3人が得意とするジャンルを、自分のフィルタを通して野性的な作品にした」と解説。優勝については「『喜び』を表現する方が素直にみんなの良さが伝わると思い、急きょ音楽も全部変えたんです。とにかく、みんなありがとう」と感謝を表す。
メンバーのAKIは「率直に嬉しいです。このラウンドに向けてみんなで考えてきました。出場していないけど、リーダーのRIRIKAにも背中を押してもらえました。akihic☆彡さんはいつも『大丈夫いける』とポジティブな言葉をかけてくれて、笑わせてくれて、家族のようなチームになっていると日々感じます。これからも初心を忘れずに頑張っていきます」とコメント。
そして今回のゲストパフォーマンスとして登場したのは『D.LEAGUE』アンバサダーでもあるEXILE SHOKICHI。サポートダンサーはなしで、バックDJと歌でDリーガーを鼓舞した。
ROUND.9の結果は以下の通り(ジャッジ+オーディエンス)。SEPTENI RAPTURES:87点(71+16)、FULLCAST RAISERZ:85点(65+20)、avex ROYALBRATS:83点(65+18)、SEGA SAMMY LUX:82点(68+14)、USEN-NEXT I'moon:81.5点(64.5+17)、KADOKAWA DREAMS:80点(66+14)、KOSÉ 8ROCKS:79.5点(64.5+15)、CyberAgent Legit:76.5点(64.5+12)、Benefit one MONOLIZ:73点(62+11)。総合ランキング1位はFULLCAST RAISERZのままだ。
総評として坂見は「毎回、限界を超える振り付けや構成を作り、踊り込むのは大変。チャレンジ精神は分かるが、チームのもともとの良さは消さない方がクオリティが上がる。異種格闘技戦は見ているだけなら楽しいがジャッジするのは本当に苦しい。今までのジャッジのコメントを思い出して、曲げない方が良い点は後半戦に活かしてほしい」と終盤戦の戦い方も交えて語った。
確かに2週間という短いインターバルであれだけの作品を作るのは尋常ではない。そこに「やりたいことは分かるが、もっと一人ひとりの鍛錬が必要」(MAI)、「練習の積み重ねしかない。それに余裕が出て、さらに一人ひとりのストーリーやエネルギーが出る」(Jeff)と批評する側の心中も推して知るべし、である。
いよいよレギュラーシーズンは残り3戦。果たして次回は過去9回で見えた、それぞれの持ち味やカラーを見出す作品が登場するのだろうか。チャンピオンシップの日程も7月1日・東京ガーデンシアターに決定し、回数を重ねるごとに進化し続ける『第一生命 D.LEAGUE』。5月18日のROUND.9に期待したい。