ぜんぶ君のせいだ。、団結する7人の快進撃 “新たな始まり”告げた47都道府県ツアーファイナル

ぜん君。、団結する7人の快進撃

 そして「君想ゐ花散りぬ」を挟んでから、「わがまま新生Hominina」や「キミ君シンドロームX」「やみかわぐんぐんか」といったポップな楽曲を通して、声を出して盛り上がれないオーディエンスをセトリの緩急で楽しませていく。そして「ロマンスセクト」「せきららららいおっと」と畳み掛けることで、より強い気持ちで患い(ぜんぶ君のせいだ。ファンの総称)と繋がろうとしていった。ラストの「唯君論.」はその極みだろう。〈愛し愛されて 泣き笑い 世界征服。〉や〈他になんにも 必要ない 此処にいる/笑い合おう〉といった歌詞をグループの節目に聴くたびに、いかにこの曲がぜん君。そのものを体現しているかを実感することができる。新体制になり、タイトルにも「.」がついて生まれ変わった「唯君論.」という名曲は、これからもぜん君。の成長に寄り添い、患いとの絆の証であり続けるだろう。

 本編終了後、アンコール序盤で7人は今の率直な気持ちを述べた。全員が今のぜん君。に誇りを持ち、清々しい想いでツアーファイナルを走り切ろうとしているのが伝わってくる。すなわちそれは、今こうして7人でステージに立てていることや、それを支えるスタッフ、そしてライブを見に来てくれる患い一人ひとりへの感謝だ。そんな気持ちを届けるかのように、アンコールでは開放的なサビの楽曲が続く。「When you 2 WANT」大サビではフロアをジャンプ&ダンスで揺らし、「ぜんぶ僕のせいだ。」のストレートな歌唱には、観客もハンドクラップや拳を突き上げて反応する。場内が“静かなる歓声”でいっぱいになったところで、「独唱無題」「無題合唱」でライブはフィナーレを迎えた。ひとりぼっちでも笑い合える仲間と場所が必ずあるはず。ぜん君。が歌ってきたメッセージはずっと変わらないのだということを実感できた。

 47都道府県を巡ってきた疲れなんて一切感じさせない、徹頭徹尾エネルギッシュなパフォーマンス。その証拠に、彼女たちは5月から新たな47都道府県ツアー『Sicutie&Stupid Tour 2021』の開催を発表した。グループの凄まじいバイタリティに驚くと同時に、「新体制で最初から最後までツアーを完遂したい」という強い意志もひしひしと感じられる。「一人ひとりに会いにいく」という約束を果たし続けた先にあるのは、もっと多くの孤独を受け止め、全員で大きな景色を描いていくぜん君。の姿だろう。先代メンバーの想いを受け継ぎながら、新たな魂を持って生まれ変わった7人。彼女たちの快進撃は、まだ始まったばかりだ。

ぜんぶ君のせいだ。公式HP

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