内田彩、水樹奈々、小倉唯……地元に根ざした活動で注目集める女性声優たち

水樹奈々はひめぎんCMで銀行員姿を披露

 愛媛県新居浜市出身の水樹奈々は地元愛に溢れる活動で知られ、地元では愛媛の星と呼ばれているそうだ。2010年に初代「新居浜ふるさと観光大使」、2012年には「伊予観光大使(いよかん大使)」に任命された。また、“ひめぎん”の愛称で親しまれている愛媛銀行のテレビCMにも出演。愛媛朝日テレビでは、いくつかの番組でナレーターも務めている。

ひめぎんアプリ「水樹奈々ご案内」篇

 水樹は、ひめぎんCMソング「あしたgraffiti」をはじめ、地元に関連付いた楽曲も数多くリリースしている。『白球青春2015 めざせ!甲子園 第97回全国高校野球選手権愛媛大会』(愛媛朝日テレビ)エンディングテーマソング「It's Only Brave」や、2017年に愛媛で開催された『第72回国民体育大会(愛顔つなぐえひめ国体)』イメージソング「えがおは君のためにある」をそれぞれ担当。さらに、新居浜市が市制80周年を迎えたことを記念して製作された映画『ふたつの昨日と僕の未来』の主題歌「サーチライト」も担当した。

 さらに、冒頭の内田をはじめ『ラブライブ!』声優は、その知名度の高さから観光大使などを任されることが多い。矢澤にこ役の徳井青空が南房総市の観光大使を務めるほか、全国の温泉地をモチーフにしたコンテンツ『温泉むすめ』で南房総のキャラクター・南房総日由美の声を担当。小泉花陽役の久保ユリカは奈良市観光大使、さらに星空凛役の飯田里穂は埼玉県富士見市のPR大使を務めている。そして高坂穂乃果役の新田恵海は、2013年に地元・長野県のアルピコ交通上高地線イメージキャラクター「渕東なぎさ」の声を担当し、“なぎさTRAIN”の車内放送を務めている。

 アニメやマンガなどのコンテンツのモチーフとして地方がピックアップされることが増え、静岡県沼津市を舞台にしたアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』(TOKYO MXほか)や映画『翔んで埼玉』のヒットは記憶に新しい。現在は愛知県をモチーフにしたアニメ『八十亀ちゃんかんさつにっき 3さつめ』(テレビ愛知・TOKYO MXほか)が放送されており、愛知出身の戸松遥が主人公・八十亀最中の声優を務めている。これまでスポーツ選手や俳優、タレント、アイドルなどが多かった地方の観光&PR大使だが、近年声優が委嘱されるケースが増えたのは、声優が人気職業として認知されたからこそだろう。今や声優の知名度の高さは、地方創生の起爆剤として欠かせない存在になっている。

■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

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