Myuk、アニメ『約束のネバーランド』エンディングテーマ「魔法」でのEveとの運命的なコラボ 物語における癒やしのように

Myuk、アニメ『約束のネバーランド』エンディングテーマ「魔法」でのEveとの運命的なコラボ 物語における癒やしのように

 現在フジテレビ「ノイタミナ」枠で放送中のアニメ『約束のネバーランド』 Season 2。以前そのオープニング曲となっている秋山黄色「アイデンティティ」についてのコラムを書いたが、同アニメのエンディングテーマ、Myukの「魔法」もまたすばらしい楽曲だ。

Myuk – 魔法 (Official Audio / Lyric Video) / フジテレビ“ノイタミナ”「約束のネバーランド」Season 2 エンディングテーマ

 Myukはシンガーソングライターとして活動してきた熊川みゆによるプロジェクト。この「魔法」がメジャーデビュー曲である。熊本出身の彼女は、小学生の頃に出会ったYUIや絢香の音楽をきっかけに楽曲制作を始め、テイラー・スウィフトなどの洋楽にも影響を受けながら自身の音楽性を作り上げてきたという。15歳で地元・熊本のサーキットイベント『HAPPY JACK』に出演、18歳になった2019年には『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演を果たすなど、着実にキャリアを重ねてきた。

 昨年2020年にリリースした1stミニアルバム『Phantasm』を聴けばわかるとおり、熊川みゆとしての彼女のスタイルはいわゆるギターの弾き語りをベースにしたオーソドックスなシンガーソングライターだ。だが、洋楽的なリズム感を昇華したメロディや、何よりその歌声には他のアーティストにはない個性があった。少しハスキーな中音域と、透明感をもった高音域の伸びやかさ。「sixteen」あたりのアタック感の強い歌唱には、それこそテイラー・スウィフトのような力強さと同時に、彼女が小学生になりたての頃から習っていたという民謡のニュアンスも感じられるだろう。とてもしなやかで表情豊かな声だ。

 そんなわけでシンガーソングライターとしての道を歩み出した彼女だが、じつはこのMyukというプロジェクトでは自身で作詞作曲を行っていない。「魔法」を書いたのは新世代のクリエイターとして今まさに勢いに乗るEveだ。熊川は幼い頃からシンガーソングライターを志し、楽曲を作り歌い続けてきたわけで、愛聴してきたアーティストによる楽曲とはいえ、自分で書いたものではない曲を歌うということには少なからず抵抗があったはずだ。

 とりわけメジャーデビューという重要なタイミングである。本人も「誰かの曲を歌うという発想自体がなく、今回の話を頂いたときはすぐには想像が出来ませんでした」とコメントしているが、それも当然だろう。しかし、「デモが届き、ワンコーラス自分が歌ったものを聴いてみると、自分では考えつかないようなメロディや歌詞に対して声をのせることの難しさや奥深さに気づくと同時に、曲作りに対しての新しい視点や可能性が開くのを感じました」という言葉にあるとおり、他者が書いた曲を歌うことはずっとひとりで音楽を続けてきた彼女にしてみれば新たなドアを開けるような体験だった。

 事実、Eveの楽曲を受け取り、大きなチャレンジとしてレコーディングに臨むなかで、それまでの「熊川みゆ」とは違うアーティスト像のアイディアが生まれ、それが「Myuk」という形になっていったのだという。その名前は、スウェーデン語で「やさしさ」や「やわらかさ」という意味をもつ「mjuk」と本人の名前から作られた造語だそうだが、彼女にとって、そういう意味でもEveとのタッグはまさに運命的なコラボレーションだったのだ。

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