諸星すみれ、伊瀬茉莉也、種﨑敦美……『約束のネバーランド』第2期を盛り上げる、女性声優たちの確かな演技力

約束のネバーランド
『約束のネバーランド 1』(完全生産限定版)

 フジテレビのノイタミナ枠で『約束のネバーランド』Season 2の放送がスタートした。2019年1月から3月に放送されたSeason 1の続きを描く今期も、放送前からすでに大きな話題となっていた。

 『週刊少年ジャンプ』にて連載されてきた同作は、2020年6月に原作漫画の連載は終了しており、そのあとには小説、実写映画など多数のメディアで作品化されてきた。また、詳報は待たれるが、FOX21が制作を務める形で海外ドラマ化されることもアナウンスされている。

 本稿では、現在放送中の『約束のネバーランド』Season 2に出演している諸星すみれ、伊瀬茉莉也、種﨑敦美の3人をフィーチャーし、それぞれの魅力に迫ってみようと思う。

 本作の主人公エマの声を務める諸星は21歳という若さだが、3歳のころ劇団ひまわりに入団、すでに芸歴は18年と同世代の声優たちのなかでも長いキャリアを誇る。

 これまでに『アイカツ!』(テレビ東京系)の星宮いちご、『文豪ストレイドッグス』(TOKYO MXほか)の泉鏡花、『ハイキュー!!』(MBS/TBS系)の谷地仁花など、長期にわたってシリーズ化される話題作に多数出演しており、今後もさらなる活躍が期待されるところだ。

 『約束のネバーランド』では主人公のエマ役を務めている諸星。サスペンス&ホラーテイストの強い本作は、小さな孤児院・グレイス=フィールドハウスで育てられた子どもたちが、様々な出来事を経て世界の真実に近づいていく。明るい性格で前向きに生きるエマは子どもたちのリーダー的な存在で、笑顔を絶やさないように振る舞いつつも、物語が進むにつれ考えや感情が揺れ動き、孤児院で共に暮らす家族のためタフな状況に置かれていく。

 嘘と真実が様変わりしていく作品では、明と暗が二極化していくにつれて、表現が一辺倒なものになってしまうところがある。諸星はエマを演じる上で表現が大味になりすぎないよう、声色のトーン、語気の強さなどを巧みに出し引きしているほか、『ジャンプ』作品の主人公らしさも損ねることなく演じきっており、改めてその高い演技力を感じずにはいられない。

TVアニメ「約束のネバーランド」第2期CM第1弾

 エマと同じく、本作における主人公の一人でもあるレイ役を務めるのが伊瀬茉莉也だ。2004年にデビューしたのち、『Yes!プリキュア5』(朝日放送・テレビ朝日系)の春日野うらら/キュアレモネード、『TIGER & BUNNY』(MBS、TOKYO MXほか)のホァン・パオリン/ドラゴンキッド、『ポケットモンスター XY』(テレビ東京系)のユリーカ、『メイドインアビス』(AT-X、TOKYO MXほか)のレグ、アニメ第2作目となる『HUNTER×HUNTER』(日本テレビ系)ではキルア=ゾルディックを務めてきた。

 今回演じるレイは11歳の男の子で、『HUNTER×HUNTER』で演じたキルアのように、彼女の声幅と演技力が大いに生かされた役どころと言える。

 本作では内田真礼が演じるノーマンに次ぐ頭脳を持っており、冷静沈着な口調でエマにアドバイスを送る。計画実行のためならばと考えを巡らせる彼には、合理的に行動しようとする冷徹さもある。キルアやレイといった役を務めてきた伊瀬の演技には、子どもらしさと同時に勇ましさも感じることができる。

 アニプレックスの公式YouTubeチャンネルで配信されている『約束のネバーラジオ』に伊瀬がゲスト出演した回では、艶のある低めの声色を披露し、司会を務める諸星と河野ひより(フィル役)が終始テンション上がりっぱなしになる場面も。多くの作品に起用されていくであろう伊瀬の今後の活躍に期待したい。

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