DEEP SQUAD、何気ない日常に寄り添う新曲「AMAZING DAYS」 明るい音色&厚みのあるコーラスが響く温かい歌に

 サウンド面では、前作「Good Love Your Love」がスタイリッシュなポップサウンドであったのに対し、今作はより温かみのある音色やコーラスが重ねられたことで、幅広い層へ届くようなポップネスを備えている点が大きな特徴と言える。

 爽やかなイントロから始まり、ボーカルラインを包み込むようにして響くコーラス、そして聴くと思わず笑顔になってしまうサビ前の印象的なピアノフレーズや、そこからパッと華やかになるサビ……と徐々に音の厚みを増していきながらも、全体像は常に温かくて軽快。その一方でハンドクラップが重なるスネアの弾けるような音色、サビへ繋ぐフィルインの少し意表をつくようなローファイ感など、ビートの主張が意外に強めなのも面白いところだ。その効用なのか、各メンバーの穏やかで繊細な歌唱表現とビートが相互に引き立て合っているようにも感じられ、それが楽曲としての聴き応えにも繋がっている。

 そして何よりこの温かくも心弾むような聴き心地が、何気ない毎日の尊さ、日々の些細な喜びからもたらされるものの大きさを、より奥深く表現している。たとえば、朝のコーヒーの香りをじっくり楽しんだり、お気に入りのアーティストの音楽に浸ったり……そんなささいな喜びや幸せに気が付けば、気持ちが明るく弾んで日々を生きる活力となる。なかでも〈香りが風を運んでくる〉という部分が特に象徴的だ。私達は時には自分の好きな香りに導いてもらわなければ、そこに心地よい風が吹いていたことにも気づけない。総じて、この「AMAZING DAYS」そのものが日常を慈しむためのきっかけとなる〈香り〉であり、〈拾い集めた僕の手〉であり、〈君を守る傘〉なのだ。やがては誰かにとっての〈宝物〉になることもあるだろう。この曲の明るさには、そんな願いも込められているように思える。

 もともと各メンバーのキャッチーな美声が非常に聴き易いグループではあったが、「AMAZING DAYS」は特に幅広い層に届くことが期待できる曲だ。特に、“朝のプレイリスト”には是非この曲の追加をお勧めしたい。冬の朝がよく似合うこの曲が、きっと新しい風を運んできてくれることだろう。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。

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