7ORDERが語る、自主制作を経て深まったエンタメに懸ける思い「ファンの方々が楽しんで広げていけるものを発信するのが役目」

7ORDERが語る、エンタメに懸ける思い

「さなぴーの繊細すぎるところが曲に出てる」

左から諸星翔希、阿部顕嵐、森田美勇人
左から諸星翔希、阿部顕嵐、森田美勇人

ーーMVなどにも活かせそうな手法ですね。

長妻怜央(以下、長妻):確かに。「Love shower」はそのMVを見てみたい!

森田:俺しか出てないよ(笑)。

真田:美勇人を雨の中で裸足で走らせようかなって。

諸星翔希(以下、諸星):だから『UNORDER』での「Love shower」の最初は美勇人なの?

真田:そうだよ。

諸星:『UNORDER』での「Love shower」は、美勇人が寝ているポーズから入るんですよ。まあ二日酔いにしか見えないんですけど……。

一同:(笑)。

真田:想像していたのと全然違いました。僕は体育座りで顔を上げて、急に踊りに入る……と思っていたんですけど、二日酔いみたいに倒れていて(笑)。

安井:ごめん、寝るっていう演出つけたのは俺だ。

ーーそういったライブやMVなどの演出も皆さんで決めているんですね。

安井:そうですね。もちろんスタッフさんたちと相談しながらですが、アイデアはそれぞれ自分が思ったタイミングで言っています。

真田:ジャケ写も曲順も、『ONE』はほぼ全てそういった形で作っています。

ーーメンバーの皆さんから見て、真田さんの曲の魅力はどこにあると思いますか。

諸星:僕はさなぴーの繊細すぎるところが曲に出てると思います。僕たちが普段あまり気に留めないようなことや、気付かないところにも繊細だから気が付いている。だから聴いていても、歌っていても、歌詞が胸にグッとくるというか。自分の感情の中で見ないようにしていることや、見えてるけど無視している痛いところを突いてくるから沁みるのかな。

7ORDER「27」Performance

ーー具体的にはどの曲にそう感じますか。

諸星:「27」の歌詞は、さなぴーにしか書けないです。寂しくて自分の殻に閉じこもってしまって、人に言えないから暗い部屋にいる時ってあるじゃないですか。それを歌詞で言ってくれていて、すごく気持ちを入れて歌えました。

萩谷:なおかつ「俺はこうなんだ!」じゃなくて、歌なのに〈きっと〉って仮定形で言うのがいいよね。

諸星:人間味があるなって。

阿部:僕も諸星が言ったことを同じように感じます。ただ、僕は基本的にどのアーティストの曲を聴くにしても、歌詞よりもメロディが先に入ってくるんですよ。真田くんの曲を聴くとキラキラしていて綺麗だな、夢があるなって思います。聴いていて気持ちがいい。暗い部分もあるけど、それも明るさで包み込んでくれる感じです。「タイムトラベラー」も「BOW!!」も「27」も、キラキラした音が入っていて明るいので、そこが僕は好きです。音楽の好みもちょっと似ているので、真田くんの曲が好きなのかもしれません。

真田:デモも顕嵐が好きそうなやつはまず、顕嵐に送る。メンバーに聴いてもらう時が一番心配ですね。

“変態的”な真田のボーカルディレクション

ーー真田さんからメンバーに対して、ボーカルのディレクションはするんでしょうか。

真田:自分が作った曲は基本的に自分でディレクションしちゃいます。それこそ「BOW!!」をレコーディングしたときは、「変態ディレクター」って言われました。

萩谷:指示の言い方が、独特なんですよ(笑)。やすには、「もっと小悪魔のように、甘えたように」ってディレクションをしていました。

安井:言われている僕のほうが冷静になっちゃって。言ってて恥ずかしくないのかなって(笑)。でもそれが真田の面白さというか。「それ、言えちゃうんだ。すげーな」っていうところが逆に強さだなって思います。変態って言われても、全然めげないんですよ。

真田:録りたいテイクが録れるまでやります。安井が歌ったベストテイクと、僕が思うベストテイクがあるんですね。それを両方聴いて、「どっちがいいと思います? 俺は甘えてる方がいいと思うんですけど」みたいな話し合いをしましたね。

安井:その変態的な突き詰め方が、曲を作る上でも必要なんだろうなって。

ーー曲作りにも、歌い方にも、真田さんのこだわりが詰まっているんですね。アルバムの曲順に関してもこだわりがあったのでしょうか。

安井:『UNORDER』とほぼ同じ曲で構成されているので、違う曲順にしようというのが第一でした。

真田:アルバムの曲順を決めたのが、みんな仕事が忙しかった時期だったんです。なので、一回『UNORDER』の演出を忘れて、自分が思うセットリストを僕に送ってくれってみんなに言いました。そうしたら、全員送ってきたセットリストの1曲目が「LIFE」だったんですよね。「あ、もうこの曲がリードトラックだ」って決まっていきました。

萩谷:3曲目くらいまでは全部同じ曲順だったんですよ。

真田:そうそう。それ以降はアトリエでポストイットに曲名を書いて、聴きながら順番を変えていくみたいな。

萩谷:1日をテーマに、というか1日の中でどれくらいの時間帯に聴きたいかみたいなことも考えたよね。

真田:最後は「Monday morning」で終わっていますが、多分、日曜の朝、昼、夜が明けて月曜の朝、なんでしょうね。

安井:まだちょっと続いている、余韻を残したい、みたいな感じ。

萩谷:「GIRL」までが本編。例えばランニングだったら、クールダウンのウォーキングが「Monday morning」。

諸星:あとは、テーマがドライブっていうのもあったね。どの順番が聴き馴染みが良いかとか。

安井:その時によって違ってた。ドライブだったり、ランニングだったり。

真田:だから、僕のパソコンにはセットリストが5パターンくらい入っているんですよ。

萩谷:逆に買ってくださるみんなは、どういう順番にするか気になる。いま、サブスクでも自分でプレイリストが作れるじゃないですか。思い思いの曲順を作って遊んでくれれば面白いかなって思います。

ーー確かに。いろんな聴き方ができそうなアルバムですね。皆さんのこの話を聞いた上で、リスナーがどう並べ替えるか。

安井:普通、アルバムを作る時テーマを考えて作っていくと思うんですが、今回はそうじゃないので。あまりない作り方なので、逆に自由度が高いかなと思います。

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