円神、7ORDER、TFG……歌×ダンス×芝居などで見せる”表現集団”としてのボーイズグループの躍進
BTSやNCT、SEVENTEENなど、韓国のボーイズグループの人気上昇と共に、熱視線を注がれることとなった日本のボーイズグループ。ジャニーズやLDHといった代表的な事務所所属のグループ以外にも、最近では歌って踊るにとどまらないボーイズグループが新潮流として注目されているが、ある種原点回帰のように思えてならない。
そもそも「歌も踊りも演技もやる集団」というのは、若手育成に多く用いられてきた手法だ。目的は大きく分けて2つ。ひとつは芸能という世界に飛び込んだばかりの新人の可能性を見つけだすため。もうひとつは歌やダンス、演技などを掛け合わせて学ぶことにより、それぞれの表現を豊かにしていくためである。
2004年に結成されたD-BOYSは、その最もたる例といっても過言ではない。城田優や瀬戸康史、志尊淳など、容姿端麗なだけでなく表現力にも定評のある役者を次々と輩出。その活躍は、みなさんの知るところだろう。
今でこそ超特急やDISH//のイメージが強いEBiDANも、2010年のスタート時は歌やダンス、芝居をする演劇集団として始動。また2014年には、ソニー・ミュージックエンタテイメントが、オーディション通過者の可能性を広げるべく劇団番町ボーイズ☆を主宰している。かくして歌・ダンス・演技を密接に関わらせてきたグループは、時代の一端を担ってきたのだ。
“歌・ダンス・演技”をグループのなかで極める人たちがいる一方、2010年代は“演技”の面を2.5次元の舞台で補うメンバーも多かった。IVVYの立石俊樹やCUBERSのTAKAなどは、そういった経歴を持つ表現者。舞台で学んだことを自身のグループに持ち帰り、歌やダンスに還元していく。
このように、歌・ダンス・演技はボーイズグループと常に深い関係を保ち続けてきたのである。なので、“新潮流”とするよりも、可能性を限定しないグループの“原点回帰”と評するほうが正しいような気がするのだ。
では、現在はどのようなグループが歌・ダンス・演技の三位一体でパフォーマンスを向上しているのか、さらっていこうと思う。
まず特筆すべきは、先日『nonagon(ノナゴン)~始まりの音~』で大成功を収めた円神だ。JO1を輩出した『PRODUCE 101 JAPAN』の元練習生により結成されたユニットで、「歌×ダンス×芝居」が融合した新しいパフォーマンスショーの展開をコンセプトに掲げている。
彼らの特徴は、第一に“なんでもやるグループ”であること。掲げているのは「歌×ダンス×芝居」だが、場合によっては殺陣だってやるしコントだってやる。音楽性に関してもポップスにこだわることなく、ヒップホップや童謡チックなものまで柔軟にこなしていくのだ。そして第二に、まだまだ彼らが未完成であること。実をいうと円神のメンバーは、オーディション番組の時点では成績が振るわなかった者が多い。その悔しさをバネにしてすべてのことを吸収し、彼らは次に進んでいくのである。