ジャニーズ年末企画:ライター5名が振り返る“激動”の2020年(柚月裕実、北村由起、新 亜希子編)

新 亜希子「望んで“ジャニーズであること”を選び続けてくれるように応援したい」

1.今年のジャニーズを振り返り、一言で表すとどんな言葉が思い浮かぶか

 「可能性」でしょうか。今年は新型コロナウイルスの影響により、数々のコンサートや舞台が中止になりました。テレビ番組も通常の形での収録は行えず、楽しみにしていたドラマや映画も延期に。ひととき、エンタメは遠くに行ってしまいました。

 けれど間もなく「Smile Up ! Project」が立ち上げられ、異例の『Johnny’s Happy LIVE with YOU』が開催されました。個人が自発的に「できること」を考え、動く姿も印象的でした。webを通して毎日のように届けられる言葉に、いつも支えられました。ついには、中止・延期が決まっていたいくつかのライブも、配信という形ではありますが実現し、新たなライブの「可能性」が生まれました。

 アイドルもファンも、エンタメのあり方について考えた1年だったと思います。これまでにも、未曾有の事態が起こるたび、いつもジャニーズは私たちを支え、寄り添い、励ましてくれました。ジャニーさん亡き今も、その意志は確かに受け継がれていると感じます。エンタメは、不急かもしれないけれど不要ではない。エンタメが持つ底力と「可能性」を感じた1年でした。

2.飛躍を遂げたと感じるジャニーズグループ

 SixTONESです。グループとしても個人としても活躍し、着実に前進・成長している姿は見ていてわくわくします。あれだけのことができる人たちなのに、YouTubeで見せる素の姿がずっと変わらないところに好感が持てますし、元気をもらえますね。プロモーションも上手く、チームのSixTONESへの愛情や信頼、絶対に売り出すという気概を感じます。常に楽しみ、挑む姿勢がいいですね。これまでリリースしたシングル曲は、いずれも難曲ではありますが「カラオケで歌ってみたいな」と思わせるキャッチーさがあります。大衆を置いてきぼりにしていないのもいいな、と。「口ずさめるヒット曲」って、年々少なくなってきていますから。

 きっと世界を目指していくのだと思いますが、曖昧な“世界基準”とやらに迎合するのではなく、“ジャニーズ”という看板を誇って、ジャニーさんの夢も一緒に連れて行ってくれる方たちだと思います。「SixTONES」というジャンルを築き上げてほしいですね。

3.相次ぐジャニーズメンバーの退所に感じること

 人生は選択の繰り返しで、彼らがこれまで「アイドル」「ジャニーズ」という道を選び続けてきてくれたことは決して当たり前ではなかったんだと実感し、感謝する機会になりました。だから「今」を大切にしようと、これまで以上に思うようになりましたし、やはり私はジャニーズという文化が好きですから、現役の皆さんが主体的に、望んで「ジャニーズであること」を選び続けてくれるように応援していきたいです。

 やりたいことを見つけ、新しい夢が生まれるのは喜ばしいこと。ですから「ジャニーズに所属しながら出来ること」の範囲が広がれば嬉しいですね。ジャニーズというブランドを守りながらの挑戦はとても難しいことだと存じますが、年々変化しているのを感じますし、可能性は広がっていると思います。

 そして「退所したからさようなら」という気持ちはありません。道は別れても、ジャニーズアイドルとしてたくさんの人を幸せにした自分を誇りに思い、自分を大切にしてほしいですし、なによりファンの皆さんにとって誇れる人であり続けてほしいと願っています。

4.一年を通しての所感

 私たちと同じように不安な日々を過ごしながらも、常に「できること」を考え、行動してくれたジャニーズの皆さんのことをあらためて尊敬しましたし、感謝した1年でした。上手な言い方が見つからないですが……誰も失うことなく、年越しを迎えられそうでよかった。もう、今年はそれだけでいいと思っています。

 こんな時代ですから、ときには休んだりペース調整したりしながら、皆さんが健やかでいてくれればそれが一番です。

 ただ、25周年イヤーを迎えたV6、年末で活動休止を予定している嵐には、きっと「今年でなくては」というものがあったと思います。どうしようもないことですし、配信ライブをはじめ代替案によって形になったものもありますが、ご本人たち、ファンの方、関わる方々の気持ちを思うとやはり、ウイルスが憎いですね。

 そして、差し出がましいようですが、当初ジャニーズJr.のことが心配でした。彼らにとっての「1年」ってとてつもなく大きいものだと思うので。デビュー組なら「今年はダメでも来年、来年ダメでもいつか」という可能性や選択肢があると思うんですね、ご本人も、ファンも。

 でも、ジャニーズJr.のみんなにとってはいつでも「今」が、「今年」が勝負。大事な1年が、ステージの数々が奪われて、心が折れないだろうかと。すべて私の杞憂でした。彼らはプロでしたね。ISLAND TVを活用したり、ジャニーズJr.公式YouTubeチャンネルでグループの個性を発揮したりと、ピンチをチャンスに変え、日々、ファンに元気を届けてくれました。新たなファンを獲得する機会にも繋がったと思います。

 ステイホーム期間中、ジャニーズの皆さんがさまざまなコンテンツを活用してくれたおかげで、どのグループもファンが増えたように感じます。心なしか、もともとのファンの方の熱量も上がったような気が。いつか通常通りの日々に戻ることができたら。たくさんの幸せを与えてもらったぶん、ジャニーズの皆さんにお返しできることがあればいいな、と思います。

合わせて読みたい
ジャニーズ年末企画:ライター5名が振り返る“激動”の2020年(高橋梓、佐藤結衣編)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる