森内寛樹、往年ヒットソングのカバーで際立つ“甘さ” MY FIRST STORY Hiroとは異なるボーカル表現

 ただ、Hiroのこういう発声法は単なるクセではなく、意図的であることを森内寛樹としてのボーカルを聴くたびに思うのだ。どういうことか? 例えば、YouTuberであるヒカルのカラオケの企画動画にて、Hiroがアカペラでヒットソングを歌い続けるものが投稿されている。このときのHiroの歌唱は全体的にMY FIRST STORYのときに魅せるエッジが鳴りを潜め、ボーカルとしての純粋な美しさが全面に花開いている印象を受ける。もちろん、Hiroのボーカルの特徴であるハスキーがかったハイトーンや、サビのキメの部分で圧倒的に伸びるビブラートはこの動画でもいかんなく発揮されているのだけれど、声全体の印象としては「甘さ」が際立っているのだ。ポップソングにボーカルを寄せているという言い方をしてしまってもいいかもしれない。往年のヒットソングをHiroの色に染めつつも、Hiro自身もMY FIRST STORYのモードではなく、ポップソングを歌うモードにしている。少なくとも、Hiroは歌う曲によって(意識的であれ無意識的であれ)発声法を変えていることは確かだと思う。だからこそ、声が外に飛び出たときの印象が変わるし、それは、Hiroとしてのボーカルと、森内寛樹としてのボーカルに違いを生み出しているのだ。

森内寛樹 – 「君はロックを聴かない」【from デビューアルバム『Sing;est』 2021.1.20 Release】

 バンド活動とソロ活動、両方に目配せをすることで、Hiro=森内寛樹の表現者としての幅広さを体感できる。2021年1月にリリースするメジャーソロデビューアルバム『SIng;est』で、それが決定的に証明される。今はそのアルバムリリースが楽しみで仕方がない。

■ロッキン・ライフの中の人
大阪生まれ大阪育ち。ペンネームにあるのは自身が運営するブログ名から。人情派音楽アカウントと標榜しながら、音楽メディアやTwitterなどで音楽テキストを載せてます。

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