ぜんぶ君のせいだ。、不安をひっくり返した全身全霊のパフォーマンス 新体制お披露目となった47都道府県ツアー初日をレポート
MCなしで全力疾走していくライブは、後半「みすふぃっとらゔぁーず」「Greedy Survive」とBPMもテンションも上げて、カタルシスのある「Sophomore Sick Sacrifice」、そしてラストのキラーチューン「When you 2 WANT」へと爆発していった。コロナ禍でのライブということで、これまでのようにシンガロングやコールをしたり、ましてやアグレッシブな曲で揉みくちゃになって楽しむことができない、観客としてもまだ手探りでライブという大事な場を守りながら楽しんでいる感触はある。その上で新体制のぜんぶ君のせいだ。のスタートを見守り、温かく迎え入れたのがこの日のライブだった。
アンコールで改めて自己紹介し、これまでもいろんな節目で大事に歌い継いできた「革鳴前夜」を歌い、「ぜんぶ僕のせいだ。」「無題合唱」と続けた。特に2016年の1stシングル曲「無題合唱」では込み上げるものがあったのか、泣き虫な如月愛海だけでなくメンバーの目にも涙が光る。そこには5人それぞれの思いがあっただろう。翌日11月4日には、ライブ1曲目で披露された「インソムニア」を含むニューシングルがリリースされるというサプライズ発表もあり、充実したアンコールは幕を閉じた。
7月の『生鳴兆候』では、ラストにバイタルサインがフラットになって停止する意味深な演出があった。そしてこのライブでは再び、ラストにドクドクと脈打つ心拍が会場に響きわたった。復活の狼煙を上げ、この47都道府県ツアーでぜんぶ君のせいだ。がどう成長を遂げていくのか。またこの目で見たいと思った一夜だった。